暗号資産(仮想通貨)取引所大手コインベースと分散型取引所ハイパーリキッドは14日、ハイパーリキッド上のステーブルコイン体制を大幅に再編すると発表した。コインベースがUSDC準備金の管理・運用を担う公式パートナー(トレジャリーデプロイヤー)に就任し、ハイパーリキッド独自のステーブルコイン「USDH」は段階的に終了する。
AQAv2で準備金利回りをプロトコルに還元──CeFiとDeFiの新モデル
今回の提携の核心は、コインベースがUSDC準備金から得る利回り収益の大部分をハイパーリキッドのプロトコルに還元する「AQAv2」の仕組みだ。AQAv2とは、ステーブルコインの準備金利回りをプラットフォーム側に直接還元する仕組みで、従来はステーブルコインの利回りが発行元(サークル)やカストディアン(コインベース)に留まり、プラットフォーム側には流れない構造が一般的だった。
AQAv2はこの構造を転換する。ネイティブ・マーケッツ(Native Markets)が2025年にUSDHで先駆けた「準備金利回りをプロトコルに直接還元する」モデルを、コインベースという世界最大級のCeFiプレイヤーが引き継ぐ形となった。ハイパーリキッドは公式投稿で「USDHの仕組みとメカニクスはAQAv2に生き続ける」と評価している。
サークルも異なるブロックチェーン間のUSDC送金を可能にするインフラ(CCTP)を担当する技術パートナーとして参画し、コインベースとサークルの両社がHYPEをステーキングしてAQAv2を始動する。
USDHは段階的に終了、手数料なしでUSDCへ移行可能
提携に伴い、USDHの開発元ネイティブ・マーケッツはコインベースに対しUSDHブランド資産の購入権を付与することで合意した。USDHは引き続き完全に裏付けされた状態で運用されるが、段階的に終了する。移行期間中、ユーザーはネイティブ・マーケッツのUSDHダッシュボードを通じて、手数料なしでUSDCまたは法定通貨への償還が可能だ。
ハイパーリキッド財団は、同プラットフォーム上で市場やトークンを運営する事業者に対して助成金を提供し、USDHからUSDCへの移行を支援するとしている。また、今後のネットワークアップグレードで、HIP-4(予測市場等)の取引基軸通貨もUSDCに統一される計画だ。
USDC供給量は約50億ドル、前年比2倍に成長
コインベースによると、ハイパーリキッド上のUSDC供給量は約50億ドルに達し、前年比で2倍に成長している。今回のコインベースの参画により「ステーブルコインのこれまでで最も深いオンチェーン統合」を実現するとしている。
コインベースは「24時間365日稼働するオンチェーン資本市場が拡大する中で、USDCに流動性を集中させることは市場効率の向上につながる」と説明。ユーザーの間で問題視されてきたUSDHとUSDCの流動性分断が解消されることで、取引体験が向上すると期待されている。
関連:サークル、ハイパーリキッドに本格参入──ネイティブUSDCとCCTP V2をHyperEVM上で展開
関連:コインベース×AWS、AIエージェント向けUSDC決済を統合──Stripeも参画
関連銘柄:
HYPE



