暗号資産(仮想通貨)ウォレットZerion(ゼリオン)のチームが開発したイーサリアムL2「ZERØ Network(ゼロネットワーク)」は22日、7月31日をもってネットワークを完全停止すると発表した。チームとリソースはすべてゼリオンのウォレットおよびデータAPIの開発に集中させるとしている。ゼロ上に資産を保有するユーザーは、7月31日までにイーサリアムメインネットなどへのブリッジが必要だ。
「ビジョンは正しかったが、届け方を変える」
ゼロネットワークは「ガス代が暗号資産の大衆普及における最大の障壁」というテーゼのもと構築された、初のEVM互換フルガスレスロールアップだ。ZKスタック上に構築され、ゼリオンウォレットのユーザーはガス代ゼロでUSDCの送金やNFTのミント、トークンスワップなどが可能だった。オープンなペイマスターにより、dApp開発者もガス代をスポンサーできる設計となっていた。
しかしチームは「そのビジョンを実現する最善の方法は独立したチェーンの維持ではなく、日々プロダクトを使う人々に最大のインパクトを与えるところにリソースを集中させることだ」との結論に至った。ゼロネットワークで得たチーム・人材・知見はすべてゼリオンに集約し、全チェーン対応のウォレットとデータAPI体験の構築に注力する。
移行スケジュールは明確に示されている。ゼロネットワークへのブリッジインは即時無効化され、新たな資産の流入はできない。ゼロネットワークからのブリッジアウトは7月31日まで受け付けており、ETH・トークン・NFTのいずれもイーサリアムメインネットまたは任意のチェーンへ移動可能だ。7月31日以降はネットワークが完全停止し、ブロック生成も終了する。
チームはDNA・XP・レベルなどに関するQ&Aも公開しており、ゼリオンアプリ内のサポートを通じて移行を支援するとしている。なお、今年1月にもブロック生成が3週間以上停止するトラブルが発生しており、ネットワークの運用には以前から課題が指摘されていた。
L2エコシステムでは、ZKsyncライトの廃止やゼロランドの運営終了など、小規模チェーン・プロトコルの閉鎖が相次いでいる。ゼロネットワークの停止も、L2の淘汰が進む中での一つの事例となった。
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