クロスチェーンインフラストラクチャを手がけるスタートアップのEverclear(エバークリア)は21日、公式X(旧Twitter)を通じて、財団および研究ラボの解散とプロダクト開発の終了を発表した。
月間取引量5億ドル達成も、収益化の壁に直面
エバークリアは、異なるブロックチェーン間の流動性の分断を解決するために設計されたクロスチェーンのクリアリングおよび決済プロトコルを提供していた。2017年にイーサリアム財団の研究助成金を受けて「Connext(コネクスト)」としてスタートし、2025年4月にメインネットをローンチした。パンテラ・キャピタルやポリチェーン、コンセンシスなど有力なベンチャーキャピタルから出資を受けており、最近ではB2B2Cサービスへのピボットを実施していた。
開発チームによると、プロトコルは月間5億ドル(約795億円)の取引量を達成し、複数の大手パートナーとの契約も獲得していた。しかし、クロスチェーンのソルバーセグメントにおいて必要な商業的深度を構築することができなかったという。ユーザーが価格に対して非常に敏感であったため、大規模な取引量を意味のある収益に転換することが難しかったと説明している。さらに、パートナー企業が実際にサービスを稼働させるまでの時間を過小評価しており、収益化の前に資金が尽きてしまったことが解散の主な要因となった。
プロトコルはすでにサンセット(提供終了)されており、ユーザーやパートナーの資金はすべて引き出されているとチームは認識している。万が一、プロトコル内に資金が残っていると思われる場合は、指定のメールアドレスへ連絡するよう呼びかけている。また、残余資金は未払い債務の清算に充てられ、残余資産がある場合は5万〜20万ドル(約795万〜3,180万円)規模でトークンのバイバックを実施する可能性があるとしているが、確実ではない。
この解散発表を受け、同プロジェクトが発行するネイティブトークン「CLEAR」の価格は急落した。CoinGeckoのデータによると、発表当日に48%以上下落し、0.0002332ドルを記録している。今後はプロトコルのオープンソース化が検討されており、DAO(分散型自律組織)が新たな管理体制のもとでプロジェクトを継続できる選択肢が提供される予定だ。
有望な技術と有力なバックアップを持ちながらも、収益モデルの構築に苦戦して事業継続を断念するケースは、現在の暗号資産市場における厳しい競争環境を浮き彫りにしている。ユーザーの価格感応度が高まる中、インフラ系プロジェクトがいかにして持続可能なビジネスモデルを確立するかが、業界全体の大きな課題となっている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159円)



