暗号資産(仮想通貨)インフルエンサーのNFTカードを使ったソーシャルファイ(SocialFi)トレーディングカードゲーム「ファンタジー・トップ(Fantasy.top)」は21日、6月末でサービスを終了すると発表した。約2年半の運営期間中にプレイヤーへ2,000万ドル超、カードの対象となったインフルエンサー(ヒーロー)へ320万ドルを分配したが、トレーディングカードゲーム(TCG)モデルの取引量では長期運営を持続できなかったとしている。
投資家に全額返還、運営は完全自己資金
ファンタジー・トップはドラゴンフライ主導で560万ドルを調達していたが、投資家の資金は運営に一切使用せず、収益のみで2年半の自己運営を貫いた。今回の閉鎖にあたり、プレシード・シードの全投資家に対し1ドルにつき1ドルを全額返還する。CEOは「確信を持てないピボットに、託された資金を費やすことはできない」とその理由を説明した。
同プラットフォームはBlast(ブラスト)メインネットのローンチ初月に生涯収益の約70%を計上したが、以降は下降が続いた。予測市場、マインドシェアトラッキング、ソーシャルグラフベッティングなど複数のピボットを試みたものの、いずれも持続的なプロダクトマーケットフィットには至らなかった。
「暗号資産TCGは構造的に失敗する」──CEOが語る教訓
CEOは閉鎖に際し公開した長文の振り返りで、暗号資産TCGが構造的に抱える問題を分析している。マジック・ザ・ギャザリングやポケモンなど成功するTCGは「ゲームが先、資産価値が後」だが、暗号資産上にTCGを構築すると順序が逆転し、ファンではなく投機家を引き寄せてしまうという。NBA Top Shot、ソラーレ、そしてファンタジー・トップと「暗号資産TCGはすべて同じ理由で行き詰まった」とし、これは偶然ではなく構造的な問題だと結論づけた。
さらにCEOは、この問題がTCGにとどまらず暗号資産業界全体に当てはまると指摘する。ソーシャルトークンも同じ構造を持ち、「価格チャートがファンとアーティストの関係を変質させ、最もアクティブな保有者がファンからトレーダーに変わってしまう」と述べた。プロダクトマーケットフィット前のトークン発行についても「毒」と断じ、成功例としてハイパーリキッドやジュピターなど「実業と収益を先に作った上でトークンを出したプロジェクト」を例外として挙げた。
なお、閉鎖発表を受け、phygitals(フィジタルズ)がファンタジー・トップの買収に名乗りを上げている。RWA×トレーディングカードの領域に統合する形で一部機能を存続させたいとしており、交渉の行方が注目される。
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