暗号資産(仮想通貨)取引所WOO Xで、出金処理の遅延をめぐる混乱が続いている。オンチェーン調査者のZachXBT氏が6日、複数の認証済みユーザーが3日間にわたり出金の保留や処理待ちを報告しているとして注意喚起を発した。
同社は7日に声明を出して遅延を認めたが、当初の文面に含まれていた法的措置への言及が、その後の版から削除されている。
「3日間保留」「取り消された」──ユーザーの訴え
ZachXBT氏が自身のテレグラムで公開したスクリーンショットには、WOO X公式アカウント宛の返信が並ぶ。
5年間レベル2認証を維持しているというユーザーは、出金が3日間保留のままで受け入れがたいほど遅いと訴えた。別のユーザーは自己管理ウォレットへの出金が6時間以上「submitted」表示のまま止まっていると述べている。
USDCの出金を数日間試みているが、プラットフォーム側が取引を取り消し続けるという報告もある。「ラグを引かれているのか。出金が取り消されている」という書き込みも確認できる。
ZachXBT氏は、WOO Xがクロノス・リサーチによってインキュベートされ、2025年第4四半期にフュージョンXデジタルに買収されたと指摘。同社はビットマート(BitMart)創業者のシェルドン・シア氏と関係があるとされる、と述べた。
削除された「法的措置」の一文
WOO Xは7日0時19分、「最近の出金処理に関するフィードバックについての声明」を投稿した。
出金処理時間に関する報告を認識しており、該当案件とシステム状況を確認中だとしている。一部の申請は審査中またはオンチェーン処理中の可能性があり、チームができるだけ早く解決に取り組んでいると説明した。
遅延しているユーザーには、UID、出金注文ID、申請時刻、資産とネットワーク、ステータスのスクリーンショットを添えて公式サポートへ連絡するよう求めている。あわせて準備金証明の確認も呼びかけた。
問題は、この声明が書き換えられた点にある。
ZachXBT氏が保存した当初の版には、ユーザーやWOO Xの評判を害する虚偽情報の捏造、歪曲、悪意ある拡散に対して法的措置を取る権利を留保する、との一文が含まれていた。現在の版では、その段落が「ユーザーの安全と正確な情報を重視している。未検証の主張の共有は控えてほしい」という表現に置き換わっている。
ZachXBT氏は同日0時30分、この点を含めて3つの質問を投げかけた。なぜ古い投稿を削除し、脅迫的な文言を消したのか。なぜこれらの出金が何日も処理されなかったのか。そして、なぜ現在のWOO Xの所有者はオフショア法人の背後に隠れているのか。
WOO Xはこの投稿に返信したが、カスタマーサポートチームが調査中で、出金チケットについてユーザーへ直接連絡するとしただけだった。3つの質問には答えていない。
支払い不能を示す証拠はない
ここまでの経緯で確定しているのは、出金が遅れていること、WOO Xがそれを認めていること、そして声明が書き換えられたことの3点である。
一方で、WOO Xが支払い不能に陥っている、顧客資産が不足している、あるいは新たなセキュリティ侵害が発生しているといった証拠は確認されていない。影響を受けた出金の総額も不明だ。プラットフォーム全体の出金停止も発表されていない。
注目が集まる背景には、ビットマートの経緯がある。同社は7月26日に段階的な事業終了を発表し、8月26日に現物と先物の取引を停止した。8月21日には再建と段階的な事業再開を検討すると方針を転換し、9月9日までに続報を出すとしている。
ただし、WOO Xとビットマートは別法人だ。共通するのは人的なつながりと時期だけであり、WOO Xが同じ道をたどることを示すものではない。
