SBI新生信託銀行とSBI VCトレードは7日、円建てステーブルコイン「JPYSC」の裏付けとなる信託財産について、一部を日本国債で運用する取り組みを開始したと発表した。SBI VCトレードが発行委託者として運用指図を行う。
短期国債で運用するのは10億円。JPYSCの発行残高は7日時点で約201億円相当となっている。
普通預金しか使えなかった裏付け資産
この取り組みを可能にしたのは、2026年6月1日に施行された改正資金決済法である。
これまで信託型ステーブルコインの発行見合い資金は、原則として普通預金などの要求払預貯金で管理することが求められていた。
改正により、一定の要件のもとで運用の幅が広がった。発行額の50%を上限として、3か月を超えない国債証券や定期預金による運用が認められるようになったのである。
今回の運用額10億円は、発行残高約201億円に対する上限のおよそ10分の1にとどまる。両社は、償還に必要な流動性を確保しながら短期国債を活用し、裏付け資産を適切に管理・運用するものだと説明している。
レンディングを含めた規模は270億円
JPYSCの利用状況についても数字が示された。
SBI VCトレードが提供する「JPYSCレンディング」の申込分は約69億円相当にのぼる。発行残高と合わせた規模は約270億円相当となり、発行残高の3分の1超がレンディングに回っている計算になる。
JPYSCは日本円と1対1で連動するよう設計された第3号電子決済手段だ。SBI新生信託銀行が発行者として信託財産の管理・運用を担い、SBI VCトレードが発行委託者兼電子決済手段等取引業者として発行と流通に係る事業を進めている。
両社は今後の展開先として、国内外の送金・決済、オンチェーン外国為替市場、RWA(実世界資産)やトークン化資産の決済を挙げた。利用の拡大に伴う発行残高と信託財産の拡大を見据え、日本国債を含む信用力の高い円建て資産による管理・運用を通じて、デジタル金融と伝統的な金融市場をつなぐ資金循環の形成に貢献するとしている。


