暗号資産系の速報アカウントWatcher.Guruは8日、イーサリアムが2027年、ETH
ETHの代わりにステーブルコインで取引手数料を支払えるようにするとXに投稿し注目を集めている。
この投稿の技術的な根拠は、イーサリアム財団のプロトコルクラスターが7日に公開した2本のブログ記事と、EIP-8141の仕様書にある。
EIP-8141「Frame Transactions」とは
EIP-8141(Frame Transactions)は、1件のトランザクションを「認証」「手数料承認」「実行」の3要素に分解する新しいトランザクション形式を追加する提案だ。著者にはイーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏を含む10名が名を連ねる。
作成日は2026年1月29日で、現在もドラフト段階にある。
仕様書には、ステーブルコインでの支払いを可能にする具体的な仕組みが明記されている。ユーザーが保有するステーブルコインを第三者(スポンサー)に送り、そのスポンサーがETHでネットワーク手数料を代わりに支払う構成だ。
仕様書は「ユーザーは一部の口座にETHを保持しつつ、他の口座はステーブルコインやNFTのみを保有し、ガス用の口座をスポンサーとして自由に取引できる」という利用例を挙げている。
ここで重要なのは、プロトコルへのネットワーク手数料自体は引き続きETH建てで支払われるという点だ。ユーザー側の体験としては「ETHを保有せずに送金できる」ようになるが、イーサリアムの手数料体系そのものがステーブルコイン建てに置き換わるわけではない。
財団は次期フォークで最優先項目に格付け
イーサリアム財団のプロトコルクラスターは7日、次期アップグレード「Hegotá」に提案された62件のEIPを格付けした一覧と、優先事項をまとめた記事を公開した。9チーム約60名の研究者・エンジニアが参加し、397件のティア評価を提出したという。
この一覧でEIP-8141は「S」評価、すなわち「必ず搭載する」ヘッドライナー扱いとされた。実行層側の目玉機能と位置づけられている。
合意形成層側のヘッドライナーであるEIP-7805(FOCIL)と並ぶ2件のうちの一つで、財団は両者を安全に搭載し相互作用をテストすることがHegotáの中核的な課題だとしている。
もっとも、財団の発表資料には稼働時期の確定的な記述はない。「Hegotáは2027年」という時期は、複数の海外メディアが公式ロードマップの位置づけから推測した見立てにとどまる。
財団自身のブログでは、クライアントチームが2026年第4四半期末頃からHegotá実装に着手できる見込みで、直前のフォーク「Glamsterdam」からの平均ケイデンスは7.2ヶ月と触れられているのみだ。
量子耐性化が財団の最優先目標
財団の発表全体を見ると、今回のポストの主眼はガス代の支払い方法ではなく、量子耐性化にある。プロトコルクラスターは「2029年12月までにイーサリアムL1を実行層・合意形成層・データ層の3層すべてで量子耐性化する」ことを最重要目標に掲げた。
EIP-8141が持つ意味合いも、この文脈に位置づけられている。Frame Transactionsはアカウントをsecp256k1鍵から段階的に切り離し、フォークごとに個別対応することなく新たな署名方式を導入できる経路を提供する。
財団はこの性質を「セキュリティ」の観点から評価しており、ステーブルコインでの手数料支払いはその副次的な機能という位置づけだ。


