国際通貨基金(IMF)は3日、エルサルバドル当局との間で拡大信用供与措置(EFF)の第2次・第3次統合レビューについてスタッフレベル合意に達したと発表した。同時に、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(
BTC)の取得に公的資源が使われていないことを検証したと明記している。
プレスリリース番号は26/285。EFFは総額約14億ドルの融資枠を定期的なレビューを経て分割実行する仕組みで、今回は第2次と第3次のレビューが合格と判断された。理事会の承認と事前アクションの完了を条件に、同国は約1億4,000万ドル(SDR 1億196万、約217億円)を受け取る。
「第1次レビュー以降の取得は寄付」を文書で検証
IMFはプレスリリースで、第1次レビュー以降のビットコイン取得が民間からの寄付を反映しており、公的資源は使われていないことを検証する文書が提供されたと述べた。
脚注によると、EFFの第1次レビューが完了したのは2025年6月27日である。つまり検証の対象は、それ以降に増えた分ということになる。
今後についても踏み込んだ記述がある。文書化された寄付を超える追加のビットコイン取得は見込まれない、としている。
あわせて、デジタル資産に関する法制・規制・監督の枠組みを近代化し、公的部門の暗号資産保有についてガバナンスとリスク管理の体制をさらに強化する措置についても了解に達した。
ただしIMFは、寄付を通じて取得したビットコインの総量を示していない。何BTCが寄付として計上されたのかは、この発表からは分からない。
政府発表との食い違いは残る
この検証結果は、これまで報じられてきた経緯と噛み合わない部分がある。
IMFは2025年、プログラムの一環として同国のビットコイン保有量を変えさせない方針を示していた。それにもかかわらず、ブケレ政権は同年5月の発表直後に8BTCを追加し、保有量は6,190.18BTCとなった。同国のビットコイン・オフィスが当時公表した数字である。
さらに11月には1,090BTCの取得を開示した。当時の価格で約1億ドル(約155億円)相当にあたり、1日あたりの取得としては過去最大規模だった。これにより保有量は7,474BTCに達している。
ビットコイン・オフィスは、1日1BTCを積み立てる方針を継続していると発信し続けてきた。政府側は一貫して「購入」という表現を使っている。
一方でIMFは「寄付を反映したもの」としており、両者の説明は異なる。IMFは内訳を公表していないため、どちらの表現が実態に即しているかは、現時点の公開情報では判断できない。
チボは民営化、EFFは総額14億ドル規模
デジタルウォレット「チボ(Chivo)」については、公的関与が大幅に縮小された。
過半数の所有権と運営管理は民間事業者へ移管され、政府は少数株主としての持分と、顧客資産の保管責任を保持する。複数のウォレットにまたがるビットコイン保有について、透明性を高める取り組みも進行中とされる。
EFFは2025年2月26日にIMF理事会が承認したもので、総アクセス額はSDR 10億3,392万(約14億ドル、同国のクォータの360%)。これまでにSDR 1億7,232万が実行されている。
マクロ経済についてIMFは、2025年の実質GDP成長率が予想を上回り、2026年は4.5%に達する見込みだとした。非金融公的部門の基礎的財政収支は、今年のGDP比2.9%から2027年に3.7%へ改善する見通しである。
なお、この発表はミッション終了時のプレスリリースであり、示された見解はIMFスタッフのもので、必ずしも理事会の見解を代表するものではないと但し書きが付されている。
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