暗号資産(仮想通貨)ジーキャッシュ(
ZEC)が1,000ドルの大台に乗せた。分散型取引所ハイパーリキッド上では、売り持ちが大きな含み損を抱えている。
オンチェーン分析ツール「HypurrScan」によると、建玉規模の上位4件はすべて売り持ちで、含み損の合計は3,354万ドル(約52億742万円)にのぼる。
上位20件で売り方が5,001万ドルの含み損
5日10時時点のZEC-USDC市場の建玉ランキングでは、上位4件が売り持ちで占められている。
首位のアドレス0x92ea19ec〜は建値444ドルで3,343万ドルの売り持ちを抱え、含み損は1,888万9,040ドルにのぼる。2位は建値644.39ドルで2,823万ドル、含み損は1,036万ドルだ。
3位と4位はそれぞれ896.99ドル、866.9ドルで建てており、含み損は200万ドルと238万ドルである。
5位から下は買い持ちが並ぶ。上位20件を集計すると、売り持ち10件の含み損が合計約5,001万ドルであるのに対し、買い持ち10件の含み益は約2,144万ドルにとどまる。同じ市場で、売り方が買い方の2倍以上を失っている計算になる。
市場全体の建玉は6億1,961万ドル(約962億円)、24時間出来高は4億6,787万ドル(約726億円)。資金調達率は0.00158%で、買い方が売り方へ支払う側にある。
最大の売り方は清算価格まで2.5倍の余裕

注目すべきは、この首位アドレスの中身である。
ZECを3万2,760枚、2倍のクロスマージンで売り持ちしている。建値は444.00ドルちょうどで、現在値1,020.60ドルまで129%上昇されたことになる。受取ファンディングが51万2,341ドルあるため、損益分岐点は459.3746ドルまで切り上がっている。
ただし、このアドレスは追い詰められた状態にはない。
清算価格は2,559.74ドルで、現在値の約2.5倍に位置する。加えてスポットに6,871万ドル(約106億円)を保有しており、証拠金の余力は十分にある。
さらに、同アドレスはビットコイン(
BTC)を1,330枚、3倍のクロスマージンで買い持ちしている。建値は7万7,089.90ドル、建玉評価額は1億601万ドル(約164億円)で、ZECの売り持ちの3倍を超える規模だ。含み益は333万6,373ドルにのぼる。
売りと買いを別々の銘柄で組み合わせた構成であり、ZEC単体で相場観を張っているわけではない。BTCの買い持ちでは199万9,459ドルの資金調達費用を支払っており、ZECで受け取る分を差し引いても支払い超過となっている。
上昇はプライバシー銘柄全体に及ぶ
ZECは4日、828ドル付近から一時1,023ドルまで上昇した。24時間で約20%高となり、1,000ドルの節目を初めて超えている。
この上昇で約3,660万ドルのレバレッジポジションが清算され、うち3,450万ドルが弱気側だった。ハイパーリキッドの首位アドレスが清算を免れているのは、証拠金の厚みとレバレッジの低さによるものといえる。
買われているのはZECだけではない。競合するモネロ(
XMR)も512〜524ドル前後まで上昇し、24時間で約6.9%高となった。8月26日時点の448ドルから、1か月で45%を超える上昇率である。
XMRには現物ETFが存在しない。それどころか複数の取引所で上場廃止が続き、規制環境はむしろ逆風にある。それでも同じ時期に買われているということは、プライバシーという分野そのものに資金が向かっていることを示している。
ZEC固有の材料もある。グレイスケールは8月25日、Zcashトラストを現物ETFへ転換してNYSEアーカに上場した。純資産はすでに4億1,400万ドルに達している。同社は、供給上限が2,100万枚である点を評価する見方が広がり、新たな価格発見の局面に入ったと説明する。
ZECは時価総額168億ドルでドージコイン(DOGE)を抜き、10位に浮上した。XMRも94億〜99億ドルで12位圏につけている。
もっとも、ZECは6月にシールドプールの脆弱性が指摘され、650ドル付近から300ドル割れまで60%超下落した経緯がある。今回の1,000ドル台は、そこからの回復局面にあたる。
直近1か月の上昇率は約94%で、8月4日を起点とした計算になる。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.26円)


