予測市場を運営するKalshi(カルシ)が、株式の私募で約11億2,000万ドル(約1,780億円)を調達していたことが明らかになった。同社は25日に米証券取引委員会(SEC)へForm Dを提出しており、同資料では総募集額を15億ドル(約2,385億円)としている。
総募集額15億ドル、未販売額は約3.8億ドル
資料によると、今回の募集対象は株式(Equity)で、初回販売日は2026年4月3日。これまでに71の投資家が購入に参加している。現在までに販売された約11.2億ドルに対し、未販売の残額は約3.8億ドル(約604億円)となっており、募集枠には依然として余裕がある状態だ。
また、カルシの経営陣・取締役には、共同創業者のタレク・マンスールCEOやルアナ・ロペス・ララ氏のほか、セコイア・キャピタルのアルフレッド・リン氏、パラダイムのマット・ファン氏らが名を連ねている。大型の資金調達を支える投資家との結びつきが取締役構成にも表れているといえるだろう。
一方、今回の調達額に関しては、その全額が新たに調達された資金を示すものではないとの見方もある。米ニュースメディア・アキシオスのビジネス編集者ダン・プリマック氏は、「この金額には過去に発表済みの資金調達分も含まれている」と自身のX投稿内で説明した。
同氏によると、今年5月に発表されたシリーズFの10億ドル(約1,590億円)と、その後の追加分を反映したものだという。また、プリマック氏はカルシが現在、新たな資金調達ラウンドを進めているとも述べている。なお、シリーズFは投資企業コーチューが主導し、セコイア・キャピタルやアンドリーセン・ホロウィッツなどが参加。カルシの評価額はこのラウンドで220億ドル(約3.5兆円)に達した。
取引規模拡大の一方、州当局との対立続く
オンチェーンデータ分析基盤Duneの執筆時点のデータでは、カルシの累計取引高は約1,939億ドル(約30.8兆円)で、直近30日だけでも約353億ドル(約5.6兆円)に達している。累計取引件数は約11.8億件に上り、取引規模は足元でも高い水準にある状況だ。
取引規模が拡大する一方、州当局との対立は続いている。ニューヨーク州司法長官は7月、イベント契約の提供をめぐりカルシを提訴。これを受けて米商品先物取引委員会(CFTC)は8月、州側の措置で取引所が停止する可能性があるとしてカルシに運営継続を命じた。
カルシの成長が続くためには、資金面だけでなく規制面での安定した事業基盤を築けるかも重要になる。今後、新たな資金調達の条件や訴訟関連でどのような判断が示されるかに注目したい。
関連:CFTC、緊急権限を行使し予測市場カルシに運営継続を命令──NY州の提訴受け
関連:予測市場大手カルシ、ビットコイン無期限先物の取扱開始──CFTCが承認
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.0円)


