暗号資産(仮想通貨)取引所ビットメックス共同創業者のアーサー・ヘイズ氏は25日、最新エッセイを公開し、スコット・ベッセント米財務長官による国債市場への対応を背景に、ビットコイン(BTC
BTC)が上昇するとの見方を示した。
米10年国債利回り「5%」を重要水準に
ヘイズ氏は米財務省が19日、次の四半期に長期国債の買い戻し額を200億ドル(約3.2兆円)増やす方針を示した点をエッセイ内で取り上げた。同氏はこうした国債買い戻しを「マネープリンティング」になぞらえ、ドル流動性の供給につながるとの見方を示している。
また、同氏は発表を受けて米10年国債利回りが一時低下し、ビットコインがその後2日間にわたって上昇したと説明。一方、10年債利回りは翌日の取引終了までに発表前を上回る水準へ戻ったとしている。ヘイズ氏は、約40兆ドル(約6,300兆円)に上る米国債残高と比べてこの買い戻し増額は小規模だとみており、市場の圧力が強まれば、ベッセント氏がさらに大規模な対応に踏み切る可能性を指摘した。
こうした10年国債利回りについて、ヘイズ氏は5%付近を重要な水準として挙げた。10年債利回りは住宅ローンや社債など幅広い金利の基準となっており、5%を超えると消費者や企業の資金調達コストが高まり、経済活動を圧迫するためだという。
イエレン氏政策と比較、RRP残高は約382兆円減
ヘイズ氏は自身の見方を裏付ける事例として、ジャネット・イエレン前財務長官が2023年後半に長期債よりT-Bill(短期国債)の発行を増やした局面を取り上げた。
同氏によると、米連邦準備制度理事会(FRB)のリバースレポ(RRP)残高は約2.5兆ドル(約398兆円)から、2025年1月20日までに約1,000億ドル(約15.9兆円)へ減少したという。
ヘイズ氏は、T-Billの利回り上昇を受けてマネー・マーケット・ファンド(MMF)の資金がRRPからT-Billへ移り、この約2.4兆ドル(約382兆円)が金融市場に流入したことで、ビットコインやナスダック100を押し上げたと分析している。今回のベッセント氏の対応についても、同様の流動性拡大につながるとの見方だ。
国債買い戻し拡大を予測、TGA活用も視野に
今後についてヘイズ氏は、ベッセント氏が国債買い戻しを段階的に拡大する可能性を指摘した。さらに、米財務省一般勘定(TGA)の残高を取り崩して国債買い戻しに活用することも、流動性を増やす手段として挙げている。
こうしたシナリオを踏まえ、ヘイズ氏は「ビットコインは上昇を続ける」と予測。一方で、上昇局面でも急激な調整があり得るとして、レバレッジの利用には慎重な姿勢を示した。
なお、ヘイズ氏は自身が率いる暗号資産ファンド「メイルストロム」を通じて、ビットコインやイーサリアム(ETH
ETH)などに投資しており、現在は「最大限のリスクを取っている」とも説明している。
今回の予測は、米財務省の対応を「流動性供給」と捉えるヘイズ氏独自の解釈に基づくものだ。今後は国債買い戻しやTGA活用の動向と併せて、ビットコインの価格推移も追っていきたい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.2円)
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