大阪府は26日、令和8年度「大阪府先駆的金融市場等形成支援事業補助金」の対象として、応募12事業の中から4事業を採択した。交付決定額は総額2,889万円となっている。
同補助金は、ブロックチェーンやAIなどの革新的な技術を使った新たな金融サービスの実装や市場形成に向け、大阪府内で行う実証実験を支援する制度だ。1事業あたりの補助上限は1,000万円、補助率は対象経費の2分の1以内となっている。
3事業がステーブルコイン活用の決済を実証
今回採択された4事業のうち、3事業はステーブルコインを活用した決済に関連している。各事業の実証内容は以下のとおりだ。
- HashPort:JPYCやUSDCなどによるステーブルコイン決済・清算システムを実証
- マイナウォレット:三井住友カードとJPYC・USDCによる決済を「stera terminal」上で実証
- Mi&T:大阪公立大学周辺の実店舗で、JPYCを活用した還元や店舗業務の効率化を実証
- SBI XDC Network APAC:TOPPANやGincoと輸出ファクタリングのオンチェーン化を実証
ステーブルコイン関連の3事業では、それぞれ具体的な利用場面も設定されている。HashPortは大阪府内の小売店やレストラン、ECサイトなど、マイナウォレットは府内のイベントや商業施設、Mi&Tは大阪公立大学のキャンパス周辺商圏での実証を予定しているという。
大阪府で今回採択された事業は、2026年秋以降に順次実証へ移る予定だ。マイナウォレットは2026年10月から2027年2月頃、Mi&Tは2026年11月中旬から2027年3月中旬、HashPortとSBI XDC Network APACは2027年1月から3月に実証を進める予定だ。
他の自治体でも関連技術の実証・事業化を支援
大阪府のみならず、他の自治体でもステーブルコインやブロックチェーンを対象とした支援事例がある。
福岡県では2024年6月、福岡県Ruby・コンテンツビジネス振興会議が「福岡県先端情報技術開発・実証支援事業補助金」を実施。ブロックチェーン関連技術やその応用技術を使った製品開発・実証を対象に、県内企業の新分野展開やビジネス拡大を支援していた。
一方、東京都は今年4月、円建てステーブルコインのユースケース創出に取り組む事業者への支援を開始した。システム開発費や外部基盤利用費、専門家への相談・監査費などを対象に、経費の3分の2を1社あたり最大4,000万円まで補助している。
自治体による支援が実証段階の取り組みを後押しするなか、今後はこうしたプロジェクトが実際のサービスとして定着するかが重要になる。大阪府の採択事業については、実証で得られる成果に加え、その後の府内での事業展開までつながるかが焦点となりそうだ。
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