国内の銀行約40行が、ブロックチェーン技術を活用した「トークン化預金」による相互送金の実証実験を月内にも開始する。25日、日本経済新聞が報じた。GMOあおぞらネット銀行などが中心となり、既存の決済システムを介さず、24時間365日、低コストで即時送金できる決済インフラの構築を目指す動きである。
金融庁支援のもと3社が実証 DCPは27年度の実用化見込む
現在の国内における銀行間決済では、全国銀行データ通信システムを通じて送金電文が送られ、日本銀行の当座預金間で振り替えが実行される仕組みとなっている。今回の実証ではこの既存のシステムを使わず、預金をブロックチェーン上でトークン化し、銀行間で直接やりとりする。
この事業は、金融庁の「フィンテック実証実験ハブ」の支援を受けて実施される。GMOあおぞらネット銀行やアビームコンサルティング、フィンテック企業のDCPが中心となり、りそな銀行や商工組合中央金庫(商工中金)などもオブザーバーとして加わる。DCPは、2027年度の実用化を目指すとしている。
すでに、ゆうちょ銀行やほくほくFG傘下の北陸銀行なども、トークン化預金の発行を目指している。企業間決済や給与振り込みなどで活用が進めば、異なる銀行間で資金決済する必要性が出てくる。今回の実証はその受け皿となる決済インフラを先行して整える取り組みだ。
トークン化預金は、法定通貨を裏付けとして民間企業が発行するステーブルコインとは異なり、銀行預金そのものをトークン化した仕組みだ。このため、マネーロンダリング対策など、既存の預金規制を応用しやすいという規制対応上の利点がある。銀行側には、次世代の決済インフラ構築を自ら主導したい思惑もあるとみられる。
民間ステーブルコインへの預金流出を警戒する銀行界にとって、本実証は、自らデジタル決済基盤を整えることで競争力を維持するための、戦略的かつ現実的な防衛策ともいえる。
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