ハイパーリキッドのネイティブトークン「HYPE」を買い集める上場企業ハイパーリキッド・ストラテジーズ(ナスダック:PURR)は27日、2026年6月期の通期決算を発表した。純利益は3億550万ドル(約486億円)。総資産は20億6,000万ドル(約3,275億円)で、負債はない。
利益の中身は評価益
ただし、この純利益を事業が稼いだものと読むことはできない。内訳の中心はHYPEトークンの未実現評価益7億990万ドル(約1,129億円)だ。
ここから、事業統合の完了時に拠出したHYPEの一時損失1億6,920万ドル、旧ソネット事業の買収に伴う研究開発費の一時償却3,560万ドル、繰延税金費用1億8,350万ドルなどが差し引かれた。
実際に手を動かして得た収益は小さい。HYPEのステーキング収益とバリデーター手数料が950万ドル(約15億円)、受取利息が270万ドル。合わせて1,220万ドルに対し、販管費と研究開発費は1,400万ドルだった。
つまり、トークン価格を除けば収支はわずかに持ち出しとなる。この会社の業績はHYPEの値動きがほぼ決めている。
期末のバランスシートを見ると、総資産20億6,000万ドルのうち19億410万ドル(約3,027億円)がHYPEだ。6月30日時点の1HYPE=65.04ドルで換算した約2,928万枚分にあたる。
残りは現金および現金同等物1億4,990万ドル(USDC1,200万ドルを含む)で、株主資本は18億7,290万ドル。
平均取得単価46.77ドル
トレジャリー戦略の進捗も開示された。8月19日までに7億7,340万ドル(約1,229億円)を投じて約1,650万HYPEを取得し、保有は当初の1,250万枚から2,930万枚へ2.3倍に増えた。平均取得単価は46.77ドルとなる。
6月30日の65.04ドルを28.6%下回る水準だ。28日13時(日本時間)の83.66ドルと比べれば、取得単価は79%低い。この価格で保有2,930万枚を評価すると24億5,120万ドル(約3,897億円)となり、期末の19億410万ドルを5億4,700万ドル上回る。
取得の原資はコミテッド・エクイティ・ファシリティによる株式発行だ。同社は6億4,660万ドル(約1,028億円)を平均1株8.70ドルで調達した。一方で2,780万ドルを投じ、平均4.80ドルで自社株約580万株を買い戻している。8月19日時点の手元資金は1億3,260万ドル(約211億円)。
デービッド・シャミスCEOは、この1年について基盤を築いた年だったと総括した。HYPEのトレジャリーを2倍以上に増やし、ネットワーク有数のバリデーターを共同で立ち上げ、旧来のバイオテック事業からの撤退を完了したと述べている。
エコシステムの数値は「未検証」と注記
リリースはハイパーリキッド本体の指標も並べている。永久先物の世界シェアは6月30日時点で約9.4%と過去最高、分散型永久先物の未決済建玉では8月23日時点で約63%を占め、2位以下を5倍以上引き離しているという。
ただし同社は、これらのエコシステム関連の数値について、公開情報に基づくもので自社では独自に検証していないと注記している。
8月19日のトランプ大統領の発言にも触れているが、こちらにも脚注が付く。CFTC(米商品先物取引委員会)に対するハイパーリキッド関連の申請や登録、適用除外、規則制定はいずれも認められておらず、同社が知る限り係属もしていない。米国での規制上の道筋が実現する保証はない、としている。
関連:HYPEが20%超急騰──トランプ氏、ハイパーリキッドの米国導入に言及
関連:ハイパーリキッド(HYPE)、過去最高値を更新──現物ETFの上場ラッシュが追い風に
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.97円)


