暗号資産(仮想通貨)に特化した資産運用会社コインシェアーズは1日、デジタル資産ファンドの週次レポートを公開した。レポートによると、先週はデジタル資産投資商品全体から16億7,000万ドル(約2,666億円)の資金が流出した。流出は3週連続におよび、今年1月23日の週に次いで今年2番目の規模となった。
イランを巡るリスク回避が台頭、クラリティ法進展による市場への好影響を完全に相殺か
直近3週間の累積流出額は42億1,000万ドル(約6,720億円)に達している。同社のリサーチ部門責任者ジェームズ・バターフィル氏は、米国での暗号資産規制の枠組みを定めるクラリティ法案進展の好影響を、イランを巡るリスク回避の動きが完全に上回ったと分析している。
相次ぐ資金流出を受け、運用残高は前週の1,480億ドル(約23兆円)から1,410億ドル(約22兆円)へと急減し、4月上旬以来の低水準となった。
震源地は米国、ビットコインは今年最大の流出に
地域別では米国市場が16億3,000万ドル(約2,601億円)の流出と大半を占め、これまで底堅さを見せていたドイツがマイナスに転じたほか、スウェーデンや香港でも流出が起きた。バターフィル氏はこの状況が、年初に5週連続で流出が続いた局面に似ていると指摘している。
こうした大規模な資金抜けの主な対象となったのがビットコインだ。1週間のフローとしては今年最大となる14億3,800万ドル(約2,296億円)の資金が流出している。ビットコインの年初来の累計流入額も、2週間前の39億ドル(約6,224億円)から12億ドル(約1,916億円)へと急減している。
アルトコイン市場の冷え込み
イーサリアムでも2億5,700万ドル(約410億円)の資金流出が記録された。アルトコインへの資金流入も大きく落ち込んでおり、3週間前には11銘柄で見られた流入が先週はわずか5銘柄にとどまるなど、大幅な減少となった。
全体的な流出傾向のなかでも、一部の資産には限定的な流入が確認された。具体的な銘柄として、XRPに2,030万ドル(約32億円)、ハイパーリキッドに1,080万ドル(約17億円)、ニアに760万ドル(約12億円)の流入があった。
記録的な流出は、イラン情勢の緊迫化を受けた機関投資家のリスク回避の動きと見られる。地政学的リスクが米国の法案進展の期待を後退させた形だ。だがマクロ環境の不透明感が払拭されれば、規制の明確化を背景に再びETF等を通じた資金流入が再開する公算が大きい。
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