暗号資産(仮想通貨)のオンチェーン分析基盤を提供するデューンは16日、分散型取引所(DEX)の集中流動性に関する調査結果を公表した。DEXアグリゲーターの1inch(ワンインチ)の委託によるもので、主要プールの集中流動性資本の約85%が、2026年上半期を通じて十分に活用されていなかったとしている。
約200プールで浮かび上がった資本効率の課題
調査は2026年上半期の26週分のスナップショットを対象に、ユニスワップv3やパンケーキスワップv3、ユニスワップv4など7つのチェーン上にある約200の主要プールで実施された。これらのプールの平均TVL(預かり総資産)は約18億4,000万ドル(約3,000億円)に上っている。
デューンによると、集中流動性資本の29.5%は、流動性提供者(LP)が設定した価格範囲から外れていた。同社はこの状態を「アイドル資本」とし、典型的な週では約5億4,200万ドル(約880億円)に上ったと説明している。
なお、約85%という未活用率には、設定範囲内にありながら実際の取引に使われなかった流動性も含まれる。85%すべてが価格範囲外だったわけではない。
また、同社は価格範囲外となったLPが、年間約1億5,000万ドル(約244億円)の手数料収入を得る機会を逃していると試算。算出には、価格範囲内の資本が同期間に得た約35%の手数料APRを用いており、デューンはこうしたアイドル資本には明確なコストが伴うと指摘している。
アイドル状態を左右するのは、取引環境そのものよりも資産ペアとそのボラティリティの影響が大きいという。ステーブルコイン同士のペアでも、期間を通じて約30%が価格範囲の外に出ていた。
アイドル資本の多くは個人ウォレットに集中
調査結果では、自動管理サービスやボットがポジションを価格範囲内に保つ一方、アイドル資本が個人ウォレットに集中する傾向も示されている。
特にベース上のユニスワップv3では、コントラクトが流動性資本全体の約半分を保有していたのに対し、アイドル資本の82%を個人ウォレットが占めた。
また、調査対象全体ではアイドル資本の約3分の1が90日以上にわたって調整されていなかった。デューンは、こうした長期間動いていない資本が特にユニスワップで多かったと指摘している。
集中流動性は前進、それでも残る改善余地
一方、集中流動性が導入される以前のモデルでは、資本の約98.7%が未活用だったという。デューンは集中流動性の導入を大きな前進と評価する一方、なお改善の余地が残されているとの見方を示している。
そのうえでデューンは、DEXがより大規模で機関投資家的な資金フローを奪い合うなかで、資本効率と取引環境を横断したクリーンなデータが、中央集権型取引所に対する優位性になるとの見方を示した。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=162.4円)



