暗号資産(仮想通貨)リサーチ大手のグラスノードは8日、ビットコインの最新市場レポートを公開した。同社によると、ビットコインは過去5ヶ月間にわたり主要な投資家の平均取得単価を下回る水準で推移しており、現在は底値形成の最終段階にあるという。一方で、本格的な相場回復にはまだ課題が残るとも指摘している。
長期保有者の売り圧力が継続
同レポートは、現在のビットコイン価格
BTCが7万6,600ドルの市場平均価格などを下回る「割安な領域」にあると分析。市場に下落圧力をもたらす最大の要因として、過去のサイクルの高値圏で購入した長期保有者による損失確定の動きを挙げている。
これら長期保有者による損失確定額は、直近で1日あたり約2億8,000万ドル(約455億円)に達し、2022年12月以来の最高水準を記録した。同社は、こうした売り圧力が明確に低下するまでは、強気相場への本格的な移行は困難だとの見方を示している。
一方、米国の現物ETF市場における資金動向にも変化が見られる。ETFの1日あたりの純流出額は、6月上旬の約1億9,300万ドル(約313億円)から現在は約8,890万ドル(約144億円)まで減少したものの、依然として流出超過の状態が続いている。
また、1日あたりの取引高も6億5,000万ドル(約1,053億円)〜9億5,000万ドル(約1,539億円)の範囲にとどまっており、2025年10月のピーク時の約44億ドルから約80%減少している。これらを踏まえ、機関投資家の需要は未だ回復していないと結論づけた。
デリバティブ市場は警戒感残る
デリバティブ市場については、オプション市場の相場観の強弱をはかる指標である「プット・コール・レシオ」が2026年で最低の0.56まで低下し、市場参加者のポジションが慎重ながらも買い(ロング)に傾き始めているという。しかし、オプション市場全体としては依然として下落リスクを警戒する姿勢が残っていると分析した。
レポートは特に、現在の価格がオプション取引における「マックスペイン(最大苦痛価格)」である6万6,000ドルを約6%下回って推移している点に言及。この水準を継続的に上回ることができれば、短期的な市場心理の好転につながると見ている。
レポートの結論として同社は、ビットコイン市場は弱気相場の終盤にあり、底値形成の条件は整いつつあるものの、確認シグナルはまだ出ていないとの見解を示した。本格的な相場回復には、長期保有者の売り圧力の沈静化、機関投資家の資金流入の安定化、市場平均価格の回復といった複数の条件が揃う必要があるとまとめている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=162円)



