リナックスなどのオープンソース事業を運営する非営利団体リナックス財団は14日、決済規格「x402」を管理するx402財団の運営開始と、コインベースによるプロトコル寄贈の完了を発表した。同財団は正式なオープンガバナンスの下で本格稼働に入る。
会員は40組織、日本からも1団体
x402は、ウェブ上のやり取りに決済機能を直接埋め込む標準だ。AIエージェントやAPI、アプリケーションが、データを交換するのと同じ感覚で送金と受金を処理できるようにする。対応する決済手段は従来型のカードからステーブルコインまでを含む。
財団の設立表明は4月2日。ガバナンス組織そのものは当初、コインベース、クラウドフレア、ストライプの3社が開発していた。
今回の会員は40組織で、プレミア、一般、アソシエイトの3階層に分かれる。
最上位のプレミア会員は17。ビザ、マスターカード、アメリカン・エキスプレス、ストライプ、アディエン、ファイサーブ、ショッピファイ、AWS、グーグル、クラウドフレア、コインベース、サークル、リップル、ソラナ財団、ステラ開発財団、モナド財団、ムーンペイが並ぶ。
一般会員は18で、ポリゴン・ラボ、NEAR財団、インジェクティブ、レイヤーゼロ・ラボ、ファイアブロックス、ゼロハッシュ、カカオペイ、カイトAIなどが入る。アソシエイト会員は5で、日本からJapanese Contents Blockchain Initiativeが名を連ねた。
4月の設立表明では、マイクロソフトやBase、サードウェブ、PPRO、シエラなど22社が参加の意向を示していた。今回の会員一覧に名前があるのはこのうち16社にとどまる。両リリースとも理由には触れていない。
カード陣営とブロックチェーン陣営が同居
顔ぶれの特徴は、決済とブロックチェーンの両陣営が同じ標準の下に並んだ点にある。カードネットワーク3社に加え、加盟店側を担うストライプやアディエン、ファイサーブ、ショッピファイが参加した。
他方でサークル、リップル、ソラナ財団、ステラ開発財団、ポリゴン・ラボ、NEAR財団、カルダノ財団などブロックチェーン側の組織も多数を占める。クラウド基盤ではAWS、グーグル、クラウドフレアが加わった。
リナックス財団のジム・ゼムリン最高経営責任者(CEO)は、AIエージェントと自動化されたシステムが世界経済の能動的な参加者になりつつある一方、取引を行うためのネイティブで安全な手段を欠いてきたと指摘した。今回の始動は、HTTP上の決済に関する標準を確立する節目だとする。
各社が示した実装の現状
会員各社のコメントからは、すでに動いている実装が見える。サークルは、x402とUSDCを組み合わせればエージェントの支払いが数秒で、しかも1セント未満のコストで確定すると説明した。
リップルはXRPレジャー上でx402への対応を進めており、エージェントがXRPとRLUSDを使って取引できる状態にあると述べている。マスターカードは「Agent Pay for Machines」と財団での取り組みを通じ、企業の採用と機械同士の決済の拡大を後押しするとした。
コインベースでAIプロダクトを統括するリンカーン・マー氏は、x402が社内で始まったのはAIエージェントに相互運用可能な支払い手段がないという現実の問題を解くためだったと振り返り、プロトコルをリナックス財団へ移すことがオープンな技術が業界の信頼を得る道だと述べた。
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