米資産運用大手フランクリン・テンプルトンの暗号資産部門「フランクリン・クリプト」のCIOを務めるセス・ギンズ氏は、14日公開のコインデスクのポッドキャスト「Public Keys」で、「暗号資産市場では価格とファンダメンタルズの間に乖離がある」との見方を示した。同氏は伝統的金融(TradFi)との融合は進んでいるものの、その動きが市場価格に反映されていないと指摘している。
TradFiとの融合や規制明確化を材料視
ギンズ氏は価格がファンダメンタルズに追いつくための材料として、TradFiと暗号資産の接点で進む複数の取り組みを挙げた。なかでも、米フィンテック企業ロビンフッドによる「ロビンフッドチェーン」の発表は、既存の巨大な流通網が暗号資産インフラを活用する転換点になると評価している。
この他、ギンズ氏はコンソーシアム型ステーブルコイン「OUSD」やトークン化されたマネー・マーケット・ファンド(MMF)、トークン化株式にも触れた。こうした取り組みが広がることで、伝統的企業による暗号資産インフラの活用が進むとの見解を示している。
規制面では、米上院で明確化に向けた投票が数週間以内に行われる可能性がある点に言及。ギンズ氏は、法案が可決されるかどうかよりも、規制の方向性が整理されること自体が重要だと強調し、機関投資家の資本流入を促すには不透明感の解消が欠かせないと述べた。
トークンの「価値捕捉」が次の投資判断軸に
ギンズ氏は、機関投資家が今後重視する論点としてトークンへの「価値捕捉」を挙げた。プロジェクトが生み出した価値を株式ではなくトークン側へ集約し、透明性を高める動きが強まっているという。
具体例として、同氏は分散型取引所(DEX)のハイパーリキッドを挙げている。収益の多くがトークンの買い戻しに反映される点を評価し、収益成長とトークンへの価値還元を市場が好んでいると説明した。
同氏はその他にもチェーンリンクやユニスワップ、アーベなどすでに市場シェアを持つ既存プロジェクトにも注目。これらがトークノミクスを見直し、トークンへの価値還元を強化すれば、機関投資家の関心が再び高まる可能性があるとの見解を示した。
ギンズ氏は、暗号資産価格とファンダメンタルズに乖離がある一方、基礎的な状況は改善しているとの見方を示した。今後は規制整備やトークンへの価値還元を巡る動きが、市場価格へ反映されるかが焦点となりそうだ。
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