米決済大手Visa(ビザ)は16日、金融機関やフィンテック企業、決済事業者などを対象としたステーブルコイン運用基盤「Visa Stablecoin Platform(VSP)」を発表した。導入企業は本プラットフォームを活用することで、単一の環境下でステーブルコインの発行や移動、管理のプロセスを完結できる。
140社超が参画するOpen USDに対応
VSPは、企業がステーブルコインを自社システムへ容易に組み込めるよう設計されている。まずはビザ自身も名を連ねる140社超が参画し、先月末に発表されたステーブルコイン「Open USD(OUSD)」に対応。法定通貨をオンチェーン化し、発行や焼却などの操作を一つの環境下で一元管理できる仕組みだ。
また、財務や決済プロセスでステーブルコインを実用化するために不可欠なウォレットインフラをパッケージ化して提供する。さらに、VSPはビザの既存決済網やツールとも統合可能だ。顧客は現在利用する決済や財務のシステムへ、新機能をシームレスに組み込むことができる。
強固なセキュリティ体制と今後の展開
セキュリティ面では、ビザと同水準の強固な管理体制を提供する。複数人での承認を必須とする機能や包括的な監査ログを実装。加えて、パスキーや許可リストを備えたウォレット・アズ・ア・サービス(WaaS)機能により、送金などの操作を厳格にコントロールすることが可能だ。
同社のジャック・フォレステル最高プロダクト・戦略責任者は、ステーブルコインがプログラム可能なマネーの新たな層を切り開いていると指摘。多くの金融機関にとって課題となる運用面に対し、同プラットフォームが安全かつ実用的な解決策を提供するとの見解を示した。
本プラットフォームは現在、一部の顧客を対象としたベータ版として先行提供されている。ビザは今後、参加企業によるテスト運用や多様なユースケースの検証から得られた知見を活用し、広範な市場に向けてプラットフォームをどう拡張していくかを決定する方針だ。
圧倒的な決済網を持つビザがステーブルコイン運用基盤を自ら提供する意義は大きい。暗号資産に慎重だった伝統的金融機関にとって、決済大手のインフラは参入への強力な安心材料となる。既存金融とWeb3の融合が加速し、ステーブルコインが本格的な決済インフラとして定着する重要な転換点となるだろう。
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