ブロックチェーン分析企業グラスノードは1日、最新の週次レポートを公開し、ビットコイン市場に強い警戒シグナルが点灯していると報告した。現在の価格は7万1,300ドル付近で推移しているが、新規資金の流入が停滞し、売り圧力が強まっているという。同社は、短期的には下落傾向が強いと分析している。
新規資金の停滞と現物市場での売り優勢
レポートによれば、オンチェーンの送金額は前週比31%増の46億ドルとなり、ネットワーク手数料収入も17%増加した。一方で、市場に流入した実際の資金量を示す「実現時価総額」の月間変動率は57%減少し、ほぼゼロまで低下。同社は新規資金の流入が事実上ストップしている状態だと分析している。
また、アクティブアドレス数は約60万7,000件で横ばいとなった。ネットワーク利用は維持されているものの、資本の流入よりも既存資金の入れ替わりが中心となっている状況がうかがえる。
現物市場でも地合いの悪化が際立っている。買いと売りの勢力差を示す累積出来高デルタ(CVD)が、プラス1600万ドルからマイナス690万ドルへ急落し、売り手が完全に主導権を握っているとした。また、現物市場では全体の取引量が8%増加したものの、その実態は買い集めではなく売却に偏っていると同社は分析している。
デリバティブ市場とETFにも警戒感
デリバティブ市場でも慎重な姿勢が広がる。先物建玉は367億ドルとほぼ横ばいだったが、ロングポジション維持コストは26%上昇した。市場が下落方向に動くなかでも、強気ポジション保有者の負担が増している格好だと同社は指摘している。
オプション市場では建玉総額が23億ドル減少した一方、ボラティリティ関連指標は依然として高水準にある。同レポートは、市場参加者がヘッジを減らしつつも、価格変動リスクを引き続き強く意識していることを示していると説明した。
特に注目されるのがETF市場の動向だ。現物ビットコインETFからの純流出額は前週からほぼ倍増し、13億ドルに達した。売買高も78%増の109億ドルとなった。これについて、グラスノードは機関投資家によるエクスポージャー縮小の動きが加速していると分析している。
収益性指標にも変化がみられる。含み益が出ているビットコインの割合は61.5%から59.8%へ低下したほか、実現損益比率はマイナス0.9となり、損失確定が利益確定を上回った。含み損の規模も拡大しており、最近参入した投資家の一部が損失を抱える状態にあることが示された。
グラスノードは総括として、現在のビットコイン市場を「売りさばき・保ち合い局面」と位置付けた。オンチェーンの基礎的な活動水準は維持されているものの、資金流入の停滞や現物市場での売り圧力、ETF経由の資金流出が続いていると指摘。実現時価総額の成長再開や現物CVDの改善が確認されるまでは、上値の重い展開が続く可能性があるとの見方を示した。
機関投資家によるETFからの資金流出が加速し、現物市場でも売り圧力が警戒される展開だ。新規資金の流入が細る中、短期的には下値を探る動きに注意が必要だろう。しかし、オンチェーン活動の基盤は保たれており、この調整局面は中長期的な相場の健全化に寄与する可能性もある。
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