ブロックチェーン企業スタークウェア共同創業者のイーライ・ベン=サッソン氏は7日、ビットコイン(BTC)の2,100万枚上限に疑問を示した。同氏はXの投稿内で、時間の経過とともに秘密鍵が失われるため、供給量を2,100万枚に制限することは「意味がない」と主張している。
スタークウェアは、ゼロ知識証明を用いてイーサリアムの取引を効率化する技術を開発する企業だ。同社のレイヤー2ネットワーク「Starknet(スタークネット)」は、手数料を抑えつつ処理量を高める仕組みとして知られる。
秘密鍵の喪失を理由に固定供給を疑問
サッソン氏は、ビットコインが1BTCを細かく分割できるとしても、長期的な鍵の喪失には対応しきれないとの見方を示している。秘密鍵が失われた場合、分割された単位そのものも動かせなくなるためだ。
そのうえで同氏は、将来のビットコイン枚数に絶対的な上限を設ける明確な金融政策を支持すると説明。最大発行率を固定する方法を挙げ、例として年4%の発行率を示した。これは「人間の人口増加率の合理的な上限」であり、長期的にも「十分に回る量」を確保できるとの考えだ。
一方、同氏はビットコインには「地平線に迫る大きなセキュリティ問題」もあるとも指摘している。ただし、投稿内ではその具体的な内容には触れていない。
年4%発行案に批判の声も、希少性めぐりX上で議論
この提案に対して、X上では複数の反応が寄せられた。あるユーザーは、ビットコインは分割可能であり、2,100兆の基本単位があるため十分だと反論した。これに対し、サッソン氏は「時間が無限に進めばそれらの基本単位も失われる」と応じている。
また、年4%の発行率については、ビットコインを「余計な手順付きの法定通貨」に変えてしまうとの声もあがった。これに対し、サッソン氏は「なぜ法定通貨になるのか」と問い返し、2,100万枚上限には目的がある一方で、リスクも伴うと説明した。
供給上限の見直しが希少性や分散性を損なうとの批判に対しては、「非常に低い供給増加でも希少性を維持できないのか」と問いかけた。サッソン氏は固定上限の目的が希少性であるなら、自身の案はそれに矛盾しないとの見方も示している。
今回の発言はX上での問題提起にとどまっており、現時点で具体的な提案として進んでいるわけではない。今後は、鍵の喪失や長期的なセキュリティをめぐる論点が、ビットコインの金融政策を考えるうえでどこまで議論されるかに注目したい。
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