株式や暗号資産(仮想通貨)の取引機能をAPIで外部企業に提供する米アルパカ(Alpaca)は16日、1億3,500万ドル(約219億円)を調達したと発表した。リードはピークXVで、エレファンドが主要参加。トークン化市場とAIネイティブ金融サービス向けに、事業基盤を拡大する。
デット含め総額706億円、クラーケン親会社が供与
新規・既存の投資家には、BNPパリバ・グループのベンチャーキャピタル部門であるオペラ・テック・ベンチャーズとアンバウンドが名を連ねた。
デットファイナンスを含めた今回の資金調達の総額は4億3,500万ドル(約706億円)に上る。デットの主な出し手は、暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンの親会社ペイワードと、カナダのBMOだ。暗号資産取引所の親会社が、証券インフラ企業に融資する構図となる。
アルパカは2026年1月に1億5,000万ドルのシリーズDを発表しており、その際の企業価値評価は11億5,000万ドルだった。今回の評価額は公表していない。
売上は3年連続で倍増、API利用者は半年で4倍
シリーズD以降の実績も並べた。インドのGIFTシティでIFSCA規制下のブローカーディーラーと決済事業者を買収し、同国での規制対応済みの拠点を確立。英国と欧州の規制事業体も買収し、EEA30カ国すべてでのパスポーティングを完了した。
欧州株を皮切りにグローバル株式へのアクセスも開始。主要な暗号資産取引所やトークン化プラットフォーム、金融機関の導入も進んだという。
数字では、売上が3年連続で前年比2倍に伸びた。トークン化された株式の裏付けとなる現物株の預かり資産(AUC)は15億ドル(約2,436億円)を突破。月間アクティブAPIユーザーは、エージェント型AI機能の拡充に伴い、直近半年で約4倍に増えた。
現在は40カ国超の数百のフィンテック企業と金融機関に対し、1,000万を超える証券口座を支えている。米国に本社を置く自己清算型のブローカーディーラーだ。
共同創業者兼CEOは日本人の横川毅氏
アルパカの共同創業者兼CEOは、日本人の横川毅(よこかわ・つよし)氏だ。慶應義塾大学を卒業後、リーマン・ブラザーズで証券化業務に携わり、野村證券ではストラクチャードファイナンスなどを担当。個人でのデイトレーディングを経て起業家に転じた。
最初に立ち上げた画像認識の会社は、京セラコミュニケーションシステムに売却している。ストライプやプレイドといった開発者向けAPI企業の台頭に着想を得て、「開発者による開発者のための証券プラットフォーム」を構想し、2015年にアルパカを創業した。
2025年9月には、起業家支援団体エンデバーのアントレプレナーに選出された。ケンブリッジで開かれた選考パネルでの最終採択率は1.6%で、11社24人が選ばれている。
横川氏は今回、アルパカがトークン化されたグローバル資本市場とAIネイティブ金融サービスにとって、デフォルトのインフラ層になる独自の立場にあるとコメントした。
そのうえで、トークン化がグローバル市場へのアクセスを塗り替え、AIが新たな金融アプリケーションと市場参加者の誕生を加速させるなかで、この転換に対応した規制対象のインフラへの需要が高まっていると述べている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=162.4円)



