東証スタンダード市場に上場するASAHI EITOホールディングス株式会社は25日、暗号資産(仮想通貨)流動性提供事業のテスト運用結果を公表し、同事業の本格運用を開始すると発表した。
テスト運用で年率14.6%の利回りを達成、最大26億円規模へ拡大
同社は2026年4月10日に暗号資産流動性提供事業の実運用開始を公表しており、その後、社内規定に基づくツールの準備や各種設定を終え、テスト運用を実施してきた。5月1日から19日までの期間、日本円で約1,500万円相当の暗号資産を用いてテスト運用を行った結果、同社帰属分(手数料等控除後)で年率換算14.6%(暗号資産ベース)の利回りを達成したという。
このテスト運用は、通貨ペアの選択や流動性提供のレンジ幅において比較的保守的な設定で行われた。また、当該期間のユニスワップ上の流動性が昨年平均と比較して低い水準にあったことや、利回りの追求よりも実務上の課題点の洗い出し、リスク管理・承認体制の確認を優先した環境下での結果であると説明している。
テスト運用の良好な結果を受け、同社は暗号資産流動性提供事業への本格的な取り組みを決定した。現在保有している暗号資産ソラナ(SOL)を売却し、その代金でイーサリアム(ETH)を追加購入して運用資金に充てる。さらに、段階的に日本円ベースで総額約3億円規模のETHを購入し、運用規模を拡大していく方針だ。
同社は2025年11月に公表した資金調達計画において、トレジャリー事業に係る資金使途として暗号資産の取得・運用に最大約26億円を充当する計画を示している。今後は市場環境や資金調達の進捗を踏まえながら、段階的に運用規模を拡大していく。本格運用にあたっては、一部通貨ペアの見直しや運用レンジの調整を行い、目標利回りである年率20%(暗号資産ベース)に近づける運用改善を図るとしている。
現段階での想定利回り約14%が維持された場合、年間で約3〜4億円規模の暗号資産増加に相当する可能性があるという。ただし、流動性提供における利回りは取引量や市場環境によって大きく変動し、暗号資産価格の変動リスクやインパーマネントロス(流動性提供に伴う評価損失)等の特有のリスクが存在することにも留意が必要だ。
国内の上場企業がDeFi(分散型金融)領域における流動性提供事業に本格参入し、具体的な利回り実績を公開したことは、企業による暗号資産活用の新たなユースケースとして注目を集めそうだ。
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