国際銀行間通信協会(Swift:スウィフト)は9日、ブロックチェーン技術を活用した新たな台帳システムについて、初期利用の準備が整ったと発表した。世界6大陸から17の主要銀行が、トークン化預金を用いた24時間365日稼働のクロスボーダー決済の試験運用(パイロット)を開始する予定だ。
ブロックチェーンが変える裏側の処理
新たなシステムは、各行が自社台帳上で発行したトークン化預金を安全に連携させる役割を担う。最大の利点は、既存のシステムを通じた銀行間の裏側の処理(最終決済)を待つ必要がなくなる点だ。これにより参加金融機関は、夜間や週末を含め24時間体制で即座に資金を移動させることが可能になる。
スウィフトは、この仕組みによって参加金融機関が既存のコンプライアンスやリスク管理の基準を損なうことなく、顧客体験の向上と流動性の効率化という恩恵を受けられると説明している。
スウィフトによると、この新システムは昨年発表されてから、金融機関からの意見をもとにわずか9カ月間で開発されたという。同社最高事業責任者のティエリー・チロシ氏は、今回の取り組みがプログラマブルマネーやエージェント型商取引といった、将来のイノベーションの基盤になると述べている。
すでに同社の既存ネットワークでは決済の75%が10分以内に完了しているが、国際取引に関するG20の目標達成に向けてシステムはさらに強化される。新システムは初期のパイロット稼働を経て、将来的に機能が順次拡充されていく予定である。
BNYやシティなど世界的金融機関が参画
今回のテストには、BNYやシティ、HSBCなどの世界的な金融機関が名を連ねている。日本からは三菱UFJ銀行(MUFG)が参画し、実際の取引環境でのテストに向けた準備を進めている。
三菱UFJ銀行は、トークン化預金や分散型台帳技術が、より効率的で透明性の高いクロスボーダー決済に貢献する可能性が高いと述べている。同行は、これらを安全かつ拡張性のある形で既存の金融エコシステムに統合すべく、実用的なユースケースの検証に注力していくとしている。
国際送金の中核を担うスウィフトがブロックチェーンを本格導入した意義は極めて大きい。これはブロックチェーンという技術が世界の金融基盤として完全に確立したことを意味する。伝統的金融の巨人が自ら次世代技術をシステムの中核に据えた歴史的転換点であり、世界の銀行によるブロックチェーン活用は今後一気に加速するだろう。
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