米ステーブルコイン発行大手のサークルは10日、米国通貨監督庁(OCC)から国法信託銀行の設立に関する最終承認を取得したと発表した。法人の正式名称は「ファースト・ナショナル・デジタル・カレンシー・バンク」で、「サークル・ナショナル・トラスト」としてOCCの直接的な監督下で運営される。
USDCの基盤強化と機関投資家への展開
新銀行は当初、サークルおよび関連会社向けに暗号資産(仮想通貨)の保管(カストディ)サービスを提供する。事業計画によれば、今後の需要次第で、銀行や規制対象のデリバティブ機関など一部の機関投資家へ向けたカストディサービスの直接展開も視野に入れている。
さらに将来的な機能として、同社が発行する「USDC」の裏付け資産(準備金)の管理も担う計画だ。これにより、裏付け資産の運用がOCCの直接的な規制監督下に置かれるため、ステーブルコインとしての安全性や透明性、信頼性のさらなる向上を見込んでいる。
規制準拠の歴史と業界への影響
サークルのジェレミー・アレールCEOは、今回の承認について「ブロックチェーン技術と暗号資産を米国金融システムの中核にもたらす決定的な一歩だ」とコメント。OCCによる監督は、大手金融機関が安心して参入するための新たな基準になると位置づけた。
同社は2015年にニューヨーク州のビットライセンスを取得し、2024年には欧州のMiCA規制にも準拠した。今回の国法銀行設立は昨年(2025年)6月の申請に端を発しており、世界各地で認可を取得してきた同社の規制対応を重視する姿勢の延長線上にある。
米当局の直接的な監督下に入ることは、USDCの透明性を際立たせ、最大の競合であるテザー(USDT)に対する強力な差別化要因となる。コンプライアンスを重視する機関投資家にとって、連邦レベルの規制に準拠したステーブルコインの存在は、暗号資産市場への本格参入を後押しするはずだ。
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