日本電気(NEC、6701)は10日、レイヤー1ブロックチェーン「アバランチ」を開発するAva Labs(アバ・ラボ)と覚書(MOU)を締結し、次世代オンチェーンサービスの共同検討を開始したと発表した。NECの生体認証技術を活用したDID/VC(分散型識別子/検証可能な資格証明)と、アバランチのブロックチェーン基盤を組み合わせ、安全で利便性の高いデジタル取引基盤の実現を目指す。あわせて、検討の第1弾となるホワイトペーパーを公開した。
顔認証で訪日客のステーブルコイン決済を実行
公開されたホワイトペーパーでは、訪日観光客向けの店頭決済モデルが示された。来日前にNECの顔認証技術を用いたVC「FaceVC(フェイスVC)」を発行し、加盟店の店頭で顔認証を行うことで、アバランチを利用したステーブルコイン決済を実行する仕組みだ。
旅行者であることを証明する属性VCを使い、加盟店からリワードを受け取る仕組みも想定されている。利用者は決済や特典の受け取りを1タップで承認できるという。生体情報や購買履歴は本人のウォレット内に保持し、必要な情報のみを開示することで、利便性とプライバシー保護の両立を図る。
システム構成には、用途の異なる3つのブロックチェーンを利用する案が示された。本人確認情報の管理には許可型の「パーミッションドL1」、ステーブルコイン決済には決済専用ネットワーク「SETTL」、リワードやNFTの発行・流通にはEVM互換の「Cチェーン」を用いる。これらはアバランチのチェーン間連携技術「インターチェーン・メッセージング(ICM)」で接続される想定だ。
両社は、今回検討する基盤を、顔認証による秘密鍵の保護や、属性VCとNFTを組み合わせた限定権利の付与・転売防止、ステーブルコインを活用した使途限定型の公共支援・不正受給防止などにも応用できるとしている。
NECは6月にも、Crypto Garage(クリプトガレージ)と国産のデジタル資産カストディ(保管・管理)システムの共同開発を発表しており、暗号資産・ブロックチェーン領域での取り組みを相次いで打ち出している。今回のAva Labsとの共同検討では、使用するステーブルコインの銘柄や、実証実験およびサービス提供の開始時期については明らかにしていない。
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