TOPPAN株式会社と韓国のセキュリティ企業ラオンセキュアは9日、デジタル証明書「Verifiable Credentials(VC)」の海外越境利用に向けた実証実験を発表した。実施日は7月10日である。
日韓の大学間で証明書を相互発行・検証
VCは、分散型ID(DID)を基盤とし、内容が改ざんされていないことをデジタルに検証できる証明書だ。学生が成績証明書を提示する場合、発行元である学校の暗号署名により、スマートフォンの専用アプリからQRコードを提示するだけで真正性を証明できる仕組みとなっている。
実証には創価大学(東京都八王子市)と韓国の中央大学校(ソウル特別市)が協力する。対象は両校の交換留学手続きだ。
具体的には、成績証明書や在学証明書などのデジタルデータを国境を越えて安全かつ円滑に相互接続できるかを、技術・制度・ビジネスの3つの観点から検証する。TOPPANは自社のVC発行・検証基盤を通じて創価大学の学生の証明書を発行し、ラオンセキュア側の発行分を検証する役割を担う。
一方のラオンセキュアは、DID技術を基盤とするブロックチェーン基盤のプラットフォーム「OmniOne Digital ID」で中央大学校の学生の証明書を発行し、TOPPAN側の発行分を検証する。
背景には、VCを国外で利用する際の課題がある。国ごとに法規制や技術仕様が異なるため相互運用性の確保が難しく、大学の在学・卒業証明書など民間領域のVCは特に環境整備が不十分だと両社は指摘している。
ラオンセキュアは、韓国政府主導のデジタル身分証明書サービスの構築を担った実績を持つ。
両社は本実証で得た知見をもとに、2027年までに日韓間におけるVC相互運用手法の確立を目指す。教育分野にとどまらず、海外就職や観光、グローバルビジネスなど多様な越境シーンへの展開も視野に入れている。



