自由民主党政務調査会デジタル社会推進本部の「次世代AI・オンチェーン金融構想プロジェクトチーム」は19日、AIとオンチェーン金融を組み合わせた金融・決済インフラ整備に関する提言をまとめた。ステーブルコインやトークン化預金を金融インフラに組み込み、官民連携で制度整備と投資促進を進めるよう求めている。
金融を成長投資分野へ──5年間のロードマップ作成を求める
提言では、金融分野を政府の成長投資分野に追加するよう求めた。金融庁を中心に政府が5年間のロードマップを作成し、金融業界への支援も含めて、官民連携で投資促進や普及促進を進めるべきだとしている。
自民党のプロジェクトチームは、オンチェーン金融を急ぐ理由として、米ドル建てステーブルコインの拡大を挙げた。提言によると、USDTやUSDCを中心にステーブルコインの発行残高は足元で45兆円規模に拡大している。日本がオンチェーン金融インフラ、特に決済インフラの構築で遅れれば、外国の決済システムへの依存による経済安全保障上のリスクや、通貨代替リスクにさらされるとしている。
制度の整備においては、ステーブルコインやトークン化預金の扱いが焦点となる。ステーブルコインについては、給与支払い、納税、会社への出資に使用できるかなどの観点を年度内を目処に検討すべきだとした。銀行発行のステーブルコインについても、国際的な銀行規制であるバーゼル規制上の扱いや、預金保険との関係を踏まえ、年内を目処にメリットや課題を整理すべきだとしている。
トークン化預金については、異なる銀行間で移転できる仕組みの整備も課題として挙げた。提言では、そのための検討項目として、日銀当座預金のトークン化対応や金融機関同士の大口決済に使うホールセール型の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を挙げた。日本銀行に対しては、年内に論点を整理し、実現に向けた検討状況を公表するよう求めている。
具体的な取り組みとしては、決済高度化プロジェクト(PIP)にも触れている。同プロジェクトでは、3メガバンク共同でのステーブルコイン発行、ブロックチェーン上での証券決済などが検討されている。提言ではさらに、貿易決済への拡大や、トークン化された売掛債権に対するステーブルコイン・トークン化預金による融資実証などを追加すべきだとした。
提言では、国内の制度整備だけでなく、アジアとの連携も視野に入れている。アジア・オンチェーン金融プラットフォームの創設を目指し、各国・地域の当局や企業が議論する場として「AI・オンチェーン金融アジア政策対話枠組み(仮称)」を早期に創設すべきだとしている。
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