テザー、2023年に9100億円の純利益|超過準備金は過去最高

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目次

世界トップクラスの純利益を誇る企業にまで成長

ステーブルコインUSDT(テザー)発行元企業「Tether Holdings Limited」は31日、2023年第4四半期の連結埋蔵量報告書を公表した。純利益は28.5億ドル(約4176億円)で、超過準備金は過去最高の54億ドル(7930億円)を記録した。

テザーの第4四半期認証:28億5,000万ドルの利益を報告、流通している現金および現金相当のバッキングトークンの超過準備額で新記録を樹立

監査を行なったのは世界トップ5の独立系会計事務所である「BDO Italia」だ。BDOは、2023年12月31日の時点に限定して、Tether Holdings Limitedの連結引当金報告(CRR)について妥当性保証業務を行っており、この日時の前後または報告書に記載された日時以外における財務上、非財務上の手続きは実施しておらず、いかなる保証もしない。

報告書によると、Tether社の総資産は約984億ドル(約14兆4,532億円)で、総負債は約915億ドル(約13兆4,394億円)で、過去最高の約69億ドル(約1兆円)の超過準備金となっている。総負債のうち約831億ドルは、発行されたデジタルトークンに関連するものだ。

総資産の内訳は、大部分が米国債であり直接的・間接的なエクスポージャー合わせて約803億ドル(約11兆円)に上る。現金は約4億ドルで、総資産の1%未満だ。

発表によれば、第4四半期の純利益は約28.5億ドルで、そのうち純営業利益は10億ドル(約1470億円、主に米国債の利息収入)で、残りは準備金として保有している金とビットコインの価格上昇によるものだ。2023年の全四半期の報告書が揃ったため、筆者のほうで計算してみたところ、同社が2023年1年間の純利益は約63.5億ドル(約9,334億円)にのぼることがわかった。

純利益63.5億ドルという数字は、世界トップクラスの企業と肩を並べる金額だ。市場調査会社「Statista」によると、JPモルガンやMeta、シェブロンなどの超有名企業を軽々と抜き、世界ランク8位だ。

また、テザー社の超過準備金は22億ドル増加し、史上最高の合計54億ドル(約7930億円)となった。同社によると、これによりかねてより準備金としては不適格として指摘されていた「有担保ローン」の問題は、超過準備金の金額が有担保ローンの金額を上回ったので「有担保ローンによるリスクを取り除くことができた」とした。

関連:テザー社、以前の発表に反して担保付ローンの貸出を再開|CTOは反論

発表に際し、テザー社のCTOであるPaolo Ardoinoは 、次のように述べている。

「現金および現金同等物における準備金の割合が最高を達成したことは、流動性と安定性に対する当社の献身を反映しています。最終四半期だけでなく、年間を通じて62億ドルという多額の純利益を計上したことは、当グループの財務体質の強さを示すものです。さらに、持続可能なエネルギー、ビットコイン・マイニング、データ、AIインフラ、P2P通信技術への投資は、より持続可能で包括的な金融の未来へのコミットメントを示しています。」

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(2024年6月6日 第5パラグラフの誤字を訂正しました)

参考

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この記事を書いた人

元一般企業会社員。現在はトレーダー兼ライター。
株式やFX、仮想通貨デリバティブ、草コイン、ノード運用と色々やっています。

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