ステーブルコイン最大手のテザーは3日、デジタルバンキングプラットフォームのファセットと提携し、世界初となる金担保ネオバンキングVisaカードの提供を発表した。この取り組みにより、トークン化されたデジタルゴールドを日常的な決済手段として活用する新たなモデルの構築を目指す。
決済と投資を融合させた新しい金融体験
今回発表されたカードはVisaネットワーク上で動作し、世界中のVisa加盟店で法定通貨による支払いに対応する。ユーザーは対象となる取引で最大6%のキャッシュバックをテザーゴールド(XAUT)で獲得できる見込みだ。支払いの際は、XAUTからテザー(USDT)を経由して法定通貨へと即座に変換される仕組みとなっている。
さらに、このカードには端数自動積立機能(ラウンドアップ)が搭載される予定だ。毎回の取引で生じたお釣りを自動的にXAUTへ投資することで、日常の買い物を通じて受動的に金を蓄積できる環境を提供する。カードはファセットのウォレットインフラと直接統合され、キャッシュバックされたXAUTはリアルタイムでユーザーのウォレットに反映される。
アジアやアフリカで事業を展開するファセットは、年間320億ドル(約5兆1,168億円)の取引量を誇り、その95%が実物資産で構成されている。同地域最大級のデジタル資産オフランプ事業者として、USDTから法定通貨への変換を高速かつ高い信頼性で処理するインフラを提供する。一方のテザーは、カードの報酬エコシステムを支えるため、最大100万ドル(約1億5,990万円)相当のXAUTを拠出する予定だ。
テザーのパオロ・アルドイノCEOは、「歴史的に金は価値の保存手段であり、交換手段ではなかった。このイニシアチブはそのナラティブを変える」と述べ、デジタル資産を現実世界の決済システムに統合する意義を強調した。また、ファセットのモハマド・ラーフィ・ホセインCEOは、「1,000年以上にわたり金は最も信頼される富の保存手段だった。我々はそれをデジタル時代に持ち込む」と語り、新興市場におけるデジタルゴールドの普及に意欲を示している。
トークン化されたデジタルゴールドの時価総額はすでに53億ドル(約8,474億円)を超えており、そのうちXAU₮が26億ドル(約4,157億円)以上を占めている。特に通貨のボラティリティが課題となる新興市場において、安定した資産に裏付けられた金融ツールへの需要が高まっており、両社の提携がこうしたニーズにどう応えていくのか注目される。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.9円)



