米証券取引委員会(SEC)は28日、暗号資産(仮想通貨)投資企業プリヴィ・インベストメンツの創業者ネイサン・フラー氏を暗号資産取引スキームを巡る詐欺行為で提訴した。SECによると、同氏は約150人の投資家から約1,230万ドル(約19億円)を集めたという。
30〜45日で40〜50%超のハイリターンを約束か
訴状によると、フラー氏は少なくとも2022年10月から2024年半ばにかけて、プリヴィ・インベストメンツなどを通じて暗号資産取引スキームへの共同事業持分を募集・販売していたとされる。
SECが問題視しているのは、独自のAIベース取引ボットによる高頻度裁定取引をうたった勧誘内容だ。フラー氏は投資家へ30〜45日以内に40〜50%超のリターンを保証すると説明。また一部には、最短21日で100%超の利益が得られる可能性があると約束していたとされ、SECはこれらの説明が虚偽だったと主張している。
資金の使途についても、SECは厳しく指摘。フラー氏は投資家資金のうち少なくとも620万ドル(約9.8億円)を個人的支出に流用し、約550万ドル(約8.7億円)をポンジ・スキームのような支払いに使った疑いがあるという。
さらに、同氏は偽の口座明細や架空の団体からの捏造された通信を使い、投資家を安心させていたともされる。SECはフラー氏に対し、恒久的差止命令、不正利得の返還、判決前利息、民事制裁金を求めている。
なお、フラー氏を巡っては、破産手続きでも問題が明らかになっている。米国管財官プログラム(USTP)は2025年9月、フラー氏に対する1,250万ドル(約20億円)超の破産免責を認めない判決を得ている。この手続きの中でフラー氏は、プリヴィをポンジ・スキームとして運営し、文書を捏造していたことを認めたとされる。
暗号資産とAIを組み合わせた投資手法は投資家の関心を集めやすい一方、その実態が不透明な案件も少なくない。今回の提訴は、過度な利回り保証や資金保全をうたう勧誘への警戒を改めて促すものとなった。
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