東証スタンダード上場のトレードワークス(3997)は13日、SBI証券と共同で、ブロックチェーン証跡基盤「LastEvidence(ラストエビデンス)」を活用した概念実証(PoC)を7月1日に開始したと発表した。証券取引システムにおけるAIエージェントの操作履歴を含む取引プロセスを、ブロックチェーンで改ざん耐性のある証跡として記録・検証する取り組みで、同社は国内初としている。
システムログの改ざん検知など3点を検証
実証期間は7月1日から8月末まで。SBI証券の証券取引システムの特定業務を対象に、3つの項目を検証する。
1点目は、システムログの改ざん検知の有効性だ。サーバから出力されるログを証跡基盤に記録し、マルウェアなどの不正侵入後にログが改ざん・削除された場合でも、それを検知できるかを確かめる。2点目は、記録したログの完全性・保全性が維持され、監査証跡として信頼できる状態を保てるかの検証。3点目は、既存システムへの追加導入の実現可能性や、運用面への影響の評価である。
ラストエビデンスは、トレードワークスの資本業務提携先であるTHXLABとECQが共同開発した証跡基盤で、トレードワークスが金融システムへの実装を担う。既存の金融システムやセキュリティ投資を活かしつつ、その上に証跡層を重ねる構成を特徴とする。
背景には、金融のオンチェーン化が実証から社会実装の段階へ移りつつある状況がある。デジタル資産やステーブルコイン、デジタル証券などが広がるなか、認証や権限管理、監査証跡を含む金融インフラ全体の信頼性をどう設計するかが論点となっている。
とりわけAIエージェントの活用が拡大するなかで、「誰が・いつ・どの権限で何を実行したか」を第三者が客観的に証明できる形で記録する仕組みの重要性が高まっている。今回の実証は、証券取引という高い信頼性が求められる環境で、その有効性を確かめる狙いだ。
トレードワークスは将来的に、セキュリティトークン(ST)の二次流通市場における決済スキームなどへの展開も見据えるとしている。なお同社は、7月13日・14日に開催されるWeb3カンファレンス「WebX2026」で、齋藤正勝社長がパネルディスカッションに登壇し、ブースでラストエビデンスのデモ展示を行う。



