東証スタンダード上場のエスクリプトエナジー(旧エス・サイエンス、証券コード5721)の株価が、16日に前日比8円安(-11.59%)の61円まで下落し、年初来安値を更新した。ビットコイン(BTC)を中核とするトレジャリー戦略を掲げる同社は、暗号資産(仮想通貨)相場の調整局面で保有BTCの含み損が拡大し、株価の重しとなっている。
BTC含み損が37.4%に拡大、平均取得単価を大きく下回る
同社はもともと非鉄金属(ニッケル)を主力とする1946年設立の企業だが、2025年にBTC投資へ大きく舵を切り、暗号資産トレジャリー企業への転換を進めてきた。元「青汁王子」として知られる三崎優太氏がクリプトアセット事業開発担当室長として戦略を主導し、中期目標として1,000 BTCの取得を掲げている。

同社の保有量は296.24 BTC、平均取得単価は約1,687万8,000円(約10万5,400ドル)だ。JinaCoinの集計によると、BTC評価額は約31億3,000万円まで目減りし、未実現損益は約マイナス19億円(-37.4%)の含み損となっている。
足元のBTCは1枚あたり約6万6,000ドル(約1,060万円)で推移しており、同社の平均取得単価を大きく下回る。同社は2025年8月26日から10月2日にかけて3回に分けて計約50億円を投じてBTCを取得したが、その後にBTCが過去最高値の12万ドル台から6万ドル台まで調整したため、含み損が膨らんだ。トレジャリー戦略を採る企業の株価はBTCの値動きに連動しやすく、相場の下落が株価を圧迫する構図となっている。
時価総額はBTC評価額の3.45倍、国内保有6位
16日時点の時価総額は約108億1,000万円で、JinaCoinの算出によると、保有BTCの評価額(約31億3,000万円)に対する倍率を示すMNAV(時価総額÷BTC評価額)は3.45倍となっている。株価がBTCの裏付け価値を大きく上回る水準で取引されていることを意味する。国内のBTC保有上場企業ランキングでは、保有量296 BTCで6位に位置する。首位はメタプラネット(4万177 BTC)で、上位とは保有規模に大きな差がある。

財務面の不透明感も株価の重しになっている。同社が5月14日に発表した前期(2026年3月期)決算は、最終損益が赤字拡大で着地した。今期(2027年3月期)の業績見通しは、事業環境や資金調達の進捗、新株予約権の行使状況などの不確定要素が多いとして、未定としている。
資金調達には新株予約権(MSワラント)を活用しており、行使に伴う株式の希薄化が継続的なリスクとして意識されている。配当も実施していない。同社は蓄電池・マイニング・AIデータセンター事業への参入も進めており、今後はBTC相場の方向性と、トレジャリー事業・資金調達の進捗が株価を左右する焦点となる。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160.17円)



