米金融サービス大手のロビンフッド(ナスダック:HOOD)と、予測市場プラットフォームのOG.comは8日、複数年にわたる大型提携を発表した。OG.comがロビンフッドの予測市場向けのインフラおよびクリアリング(清算)プロバイダーを担う。両社の提携は業務面にとどまらず、ロビンフッドが両社の株式を取得する資本参加を伴う点が特徴だ。
個人投資家の取引をCFTC規制の取引所へ
提携の中身はこうだ。ロビンフッドは、個人投資家によるイベント契約の取引を、OG.comが持つCFTC(米商品先物取引委員会)規制下のデリバティブ取引所・清算機関のアーキテクチャを通じて処理する。
ロビンフッドの予測市場は、ロビンフッド・デリバティブズ(CFTC登録の先物取次業者)が提供している。OG.com側によれば、今回の提携は取引量ベースで同社にとって最大のB2B予測市場パートナーシップになるという。
提供は段階的に始まる。OG.comを経由するイベント契約は、9月8日からプロフットボール(NFL)シーズンの開幕に合わせ、対象となる米国の顧客に順次展開される。マクロ経済指標、スポーツ、選挙、文化的な出来事など、扱うイベントの幅も広げていく方針だ。
ロビンフッドが両社の株式を取得
今回の提携で見逃せないのが、資本の結びつきだ。合意の一環として、ロビンフッドはスピンオフ後のOG.comとCrypto.comの初期株式を取得する。
株式の価格は、Citadel Securities(シタデル・セキュリティーズ)が最近Crypto.comグループに投資した際の200億ドル(約3兆円)という評価額に沿って設定される。
ロビンフッドのJB・マッケンジー氏(先物・予測市場担当VP兼GM)は「Crypto.comおよびOG.comとの提携は、予測市場分野での我々の地位を強め、いっそう真剣に取り組む足場になる」とコメントした。
Crypto.comから50億ドルでスピンオフ
OG.comは、もともとCrypto.comの傘下にあった予測市場事業だ。今回の提携は、Crypto.comからの戦略的スピンオフによってOG.comが独立企業となったことを受けたものである。
このスピンオフでは、OG.comに50億ドル(約7,682億円)の単独評価額が付いた。これはシタデル・セキュリティーズによるCrypto.comへの200億ドル評価の投資に含まれる形だ。
中核の暗号資産取引所インフラから切り離されたことで、OG.comは独自の資本配分を持つ独立企業となった。CFTC規制下の事業をスポーツ、金融、経済の各契約市場で拡大していく構えだ。
OG.comは、CFTC登録の指定契約市場・清算組織であるノース・アメリカン・デリバティブズ・エクスチェンジ(NADEX)と、先物取次業者「OG Broker」を通じて事業を行う。
Crypto.comとOG.comの創業者兼CEOクリス・マルシャレク氏は「これは両社による戦略的提携の始まりだ」とコメント。予測市場を皮切りに先物や無期限先物へと広げ、OG.comを革新的なデリバティブにとって世界で最も流動性の高い場にしたいと述べた。
ロビンフッドは予測市場に加え、ブロックチェーン領域でも攻勢を強めている。今年7月にはアービトラム基盤の独自レイヤー2「ロビンフッド・チェーン」のメインネットを公開。稼働から70日間で総収益4,258万ドル(約65億円)を記録し、デファイラマの過去24時間収益では全ブロックチェーンの首位に立つなど、存在感を急速に高めている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.63円)


