米司法省(DOJ)コロンビア特別区連邦検察局は8日、2.45億ドル(約375億円)を超える暗号資産を盗み資金洗浄した国際サイバー犯罪組織の首謀者、マローン・ラム(Malone Lam)被告(22、シンガポール国籍、マイアミ在住)が、ワシントンD.C.の連邦地裁で有罪を認めたと発表した。同被告はRICO(威力脅迫及び腐敗組織法)違反の共謀1件について、コリーン・コラー・コテリー連邦地裁判事の前で有罪を答弁した。判事は12月8日にステータスヒアリングを開くことを決めた。
ソーシャルエンジニアリングで被害者から資産を窃取
司法省の裁判資料によると、この犯罪組織は遅くとも2023年10月に始まり、少なくとも2025年5月まで続いた。カリフォルニア、コネチカット、ニューヨーク、フロリダの各州および国外に拠点を置くメンバーで構成され、オンラインゲームのプラットフォーム上でのつながりを通じて発展したとされる。
手口は「ソーシャルエンジニアリング」だ。被害者を心理的に操作して情報を聞き出し、暗号資産ウォレットから資産を抜き取る方法で、時には住居への侵入も併用したという。
ラム被告は「Anne Hathaway」などの偽名を使い、この組織を組織化し、標的となる被害者を特定したうえで、共謀者それぞれの役割を調整していた。
盗んだ資金で高級車28台、一晩50万ドルのクラブ

盗まれた暗号資産は、豪奢な生活の原資となっていた。司法省によれば、組織のメンバーや関係者は、一晩あたり最大50万ドルに達するナイトクラブでのサービス、数万ドル相当の高級ハンドバッグ、10万ドルから50万ドル超の高級腕時計、数万ドル相当の高級衣類などを購入していた。
さらに、ロサンゼルスやハンプトンズ、マイアミの賃貸住宅、移動用のプライベートジェットのレンタル、私設警備チーム、そして10万ドルから380万ドルの範囲に及ぶ高級車の車列も、盗んだ資金でまかなわれていたという。
ラム被告は2025年9月18日、マイアミの賃貸住宅で逮捕された。本件は連邦検察局、連邦捜査局(FBI)ワシントン支局、内国歳入庁犯罪捜査部(IRS-CI)ワシントンD.C.支局が捜査を担当している。
ジャニーン・フェリス・ピロ連邦検事は「サイバー犯罪の帝国を築いても、我々はあなたを見つけ出し、その活動を解体し、責任を追及する」とコメント。「この被告は、欺瞞によって被害者を食い物にし、プライバシーを侵害し、数億ドルの暗号資産を盗んだ国際的なネットワークを率いていた」と述べた。
関連:ウクライナ当局が暗号資産詐欺網を摘発──主犯は25歳のIT専門家、月1億円超
関連:本物のウォレットアプリを乗っ取る偽アプリ──暗号資産詐欺の全工程が流出
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.2円)


