国民民主党の原田秀一参議院議員が21日、財政金融委員会において「予測市場」の社会的活用について提言を行った。国会の場でこの概念が取り上げられるのは初の事例とみられる。
予測市場は「世論調査を超える情報市場」、CPIや利上げ予測にも活用期待
原田議員は予測市場を「世論調査を超える新しい情報市場」と位置付け。米国ではステーブルコインを活用した予測市場「ポリマーケット」などが拡大しているとし、消費者物価指数(CPI)や日銀の利上げ予測、降水量や台風上陸といった気象分野まで幅広い活用が考えられると説明した。
また同氏は、予測市場が従来のギャンブルとは異なる特徴を持つ点にも触れている。胴元が存在せず、参加者同士で取引が行われるため、構造としてはゼロサムに近く、過度な損失が生じにくいとした。
さらに、結果は運ではなく情報分析や予測の精度に左右されるため、金融取引に近い側面があると説明。加えて、ブロックチェーンの活用により取引履歴の透明性が確保され、不正が起きにくい仕組みである点も特徴として挙げた。
金融庁はインサイダー取引・不正操作リスクを懸念
一方、金融庁は慎重な姿勢を崩していない。井上企画市場局長は、現時点で予測市場を直接規制する法律は存在しないとしたうえで、賭博罪に該当する可能性について言及。今後の検討が必要との考えを示した。
また、社会的・経済的な有用性についても慎重に見極める必要があるとも主張。4月7日の中東情勢に関する停戦発表直前に、原油先物市場で約1500億円相当の不審な大規模売り注文が出された事例などを引き合いに出し、分散型取引所におけるインサイダー取引や不正操作のリスクを強調した。
今回の議論の背景には、日本のデジタル金融を巡る大きな流れがある。ステーブルコインは制度整備が進んでいるものの、円建てでの本格的な活用はこれからとみられている。原田議員は米国で広がる利回り付きトークン化資産を例に挙げ、日本でも国債などのトークン化を進める必要性も訴えた。
玉木代表も反応、投資家保護のルール整備を訴える
原田議員が予測市場について国会で取り上げたことを受け、国民民主党の玉木雄一郎代表もこの動きに言及している。同氏は、予測市場について選挙結果や経済指標などの将来事象を対象とする市場だと説明し、参加者が資金を投じることで予測の精度が高まりやすい仕組みに触れた。
一方で、日本では賭博罪との関係が課題になる可能性があるとし、投資家保護を前提としたルール整備の重要性を強調している。
予測市場は情報を集約する新たな手段として注目される一方、その位置付けはまだ定まっていない。今後、日本においてどのように制度化が進められていくのか、その動向が注目される。
関連:国民民主・玉木代表、ハイパーリキッドの可能性を発信──ビットフライヤー加納氏が反論・問題提起
関連:バイナンスが予測市場に参入──3億人のユーザー基盤に開放




