世界最大のイーサリアム・トレジャリー企業ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(NYSE:BMNR)は3日、年率9.5%の配当を付すシリーズA永久優先株の公募を米証券取引委員会(SEC)に申請したと明らかにした。1株あたり額面100ドルで300万株を発行し、最大3億ドルの調達を目指す。
配当は週次・年率9.5%、上場はNYSEの「BMNP」
SEC提出書類によると、この優先株は固定の累積配当を持ち、取締役会が決議すれば年率9.5%の配当が毎週現金で支払われる。優先株はニューヨーク証券取引所にティッカー「BMNP」で上場予定で、承認を条件に発行から30日以内の取引開始を見込む。
公募の共同主幹事は、モエリス・アンド・カンパニーとキャンター・フィッツジェラルドが務める。
調達資金は、主にETHの追加取得に充てる。あわせて、同社のステーキング基盤「MAVAN」の強化や関連施策にも使う方針だ。永久優先株を用いることで、普通株主の即時の希薄化を避けながら資金を確保する狙いがある。
なお、配当を期日に支払えなかった場合には、未払い分が追加5ベーシスポイントから始まり最大15%まで段階的に上昇する形で複利的に膨らむ条項が付されている。
含み損92億ドルのなか、ストラテジー型の調達を踏襲
今回の調達は、ビットマインがETH価格
ETHの下落で大きな含み損を抱えるなかでの動きだ。同社は540万枚を超えるETHを保有し、イーサリアム総供給の約4.5%を握る最大手だが、ドロップスタブのデータによると、取得済みETHには約92億ドル(1兆4,710億円)の含み損が生じているとされる。普通株BMNRも直近半年で約50%下落した。
この手法は、マイケル・セイラー氏率いるストラテジー(旧マイクロストラテジー)が確立した資金調達モデルを踏襲したものだ。優先株で資金を集め、暗号資産を買い増す形を、ビットマインはイーサリアム戦略に持ち込もうとしている。
ただし、優先株を軸とした調達には構造的なリスクも指摘されている。9.5%という配当率は伝統的な優先株と比べて高く、これは集中した暗号資産トレジャリーに伴うリスクの高さを映したものでもある。配当負担が続くなかで暗号資産価格が低迷すれば、調達の持続性が問われる局面も想定される。
その懸念は、先行するストラテジーで現実のものとなりつつある。同社は6月1日、5月26日から31日にかけて32 BTC
BTCを売却したとSECに開示した。優先株の配当支払いを目的としたビットコイン売却は、同社として初めてだった。
「絶対に売らない」としてきた方針からの転換であり、優先株モデルが価格低迷下で保有資産の取り崩しを迫る構図が表面化した形だ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.9円)



