暗号資産(仮想通貨)取引所Backpack(バックパック)は2日、証券プラットフォーム「Backpack Securities」を今後1週間以内に立ち上げると公式Xで発表した。伝統的な証券の保有とブロックチェーン上のトークン化を一つの基盤で結ぶ構想を掲げる。
「実物保有」と「トークン化」を一本でつなぐ
同社の発表によると、Backpack Securitiesは3つの層で構成される。まず土台となるのが、伝統的なブローカレッジによる実物の証券保有だ。投資家は米国の証券インフラを通じて米国株やETFを売買・保有でき、所有権はニューヨーク州法(UCC第8編)に基づく証券エンタイトルメントとして確立される。
配当などの株主権や、ACATS・DTCCといった既存のレールを通じた株式の入出庫にも対応するという。
2つ目の層がトークン化だ。保有する証券をオンチェーンで24時間移転でき、ウォレットやDeFiアプリから扱える。トークン化された証券と従来の証券エンタイトルメントは、バックパックの取引所での入出金を通じて相互に変換できるという。
トークン化された証券は当初、ソラナ上でSunrise DeFiと提携して提供される。
3つ目が、資本の統合だ。株式・暗号資産・ステーブルコイン・デリバティブを別々の口座に分けるのではなく、単一のポートフォリオとして扱う。バックパックはすでに統一担保システムで取引・貸付・借入・ステーキングを提供しており、証券をその次の一手と位置づける。
ローンチ時には米国株・ETFへのアクセスに加え、週5日24時間取引、即時執行、法定通貨とステーブルコイン双方での入金に対応するとしている。
「暗号資産ネイティブの証券会社」という位置づけ
創業者兼CEOのアルマニ・フェランテ氏は、この発表に先立つ6月1日の個人投稿で、CFTC(米商品先物取引委員会)が規制対応の無期限先物を後押しし、SEC(米証券取引委員会)が証券をオンチェーンに持ち込み、史上最大のIPOとされるスペースXの上場が迫る状況を挙げ、「暗号資産の新時代が形成されつつある」と述べた。
そのうえで、これまで並行して存在してきた伝統金融と暗号資産が融合しつつあるとし、自社の取り組みを「暗号資産ネイティブの証券会社の夜明け」と表現した。ただし、これらは同氏の見解であり、Backpack Securitiesは現時点で発表段階で、ローンチは今後の予定である点には留意が必要だ。
BPトークンは急騰、一時0.30ドルに
この発表を受け、バックパックの独自トークンBP
BPは急騰した。MEXCのBP/USDTでは、5月26日頃に0.12ドル台で推移していた価格が、6月3日にかけて高値0.3ドルまで上昇。約1週間で2倍超に値を上げた。

もっとも、急騰後は反落も見せている。執筆時点の終値は0.2692ドル。証券事業への期待が買いを集めた一方、短期的な過熱感から利益確定も入っているとみられる。BPは、1年以上の長期保有で将来的に「本物の株式」へ転換できる設計が特徴で、今回の証券事業はその構想とも連続性がある。



