AIソリューション事業を主力とする東証スタンダード上場のクオンタムソリューションズ株式会社(2338)は4日、同日の取締役会で、グループが保有する暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の一部を売却する方針を決議したと発表した。AIインフラストラクチャ(AIDC)事業の資金確保が目的だとしている。
売却上限は最大1,875 ETH、10月末までに実施
対象は、グループが保有するETHの一部だ。同社は6月4日時点で、平均取得単価3,595.02ドルで6,668.80 ETH(ステーキング総収入0.62 ETHを含む)を保有している。今回の売却上限はこのうち最大1,875 ETHで、2026年6月4日から10月30日までの間に実施する。
売却の時期については、市場環境やETH価格
ETHの動向、AIDC事業の進捗、資金需要などを総合的に勘案し、適切なタイミングを選ぶとしている。同社は本件について、短期的な暗号資産売買が目的ではなく、保有資産の一部を事業投資資金へ振り向ける財務戦略上の判断だと強調した。
売却で得た資金は、主にAIDC事業に充てる。具体的には、データセンター契約の保証金や初期費用、GPUサーバーなどの設備導入費用、ネットワーク設備・インフラ費用、事業立上げの運転資金などを予定する。同社はAIDC事業を、5月22日と28日の開示で示した中長期の成長戦略の柱と位置づけている。
クオンタムソリューションズは、子会社を通じてETHを段階的に買い増してきた経緯がある。2026年4月時点で総保有は6,000枚を突破していた。買い手として知られた同社が一部売却に転じる形だが、今回はあくまで事業資金の確保が狙いで、ETH戦略そのものの転換を示すものとはしていない。
なお、本件は現時点で売却方針を決定した段階であり、実際の売却時期・数量・金額は未確定だ。同社は、実際に売却を実施した場合には、売却数量や価格、売却後のETH保有数量、2027年2月期業績への影響などを速やかに開示するとしている。



