デリビットの牙城を崩せるか
暗号資産(仮想通貨)取引所「Coincall(コインコール)」は7日、世界で初めて、SOL・MATIC・BCH・FIL・LTC・XRP・LINK・TRX・KAS・DOGEのオプション市場を開始したと発表した。
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コインコールは今年7月に誕生したばかりの取引所で、現物・先物・オプション取引を提供している。特にオプション取引に力を入れており、スプレッドがゼロの銘柄もある。また、Maker手数料は-0.06%(=ポジションを持つと0.06%がもらえる)だ。現物取引の手数料は無料となっている。
オプション取引は、単にレバレッジを使ったとしてだけでなく、先物取引のリスクヘッジなどに使える便利な金融商品であるが、その仕組みの難しさゆえに、仮想通貨業界では未発達であった。コインコールは、プロ投資家だけでなく、初心者でもオプション取引ができるように「ライト版」を開発・提供している。
新興取引所ゆえに、カウンターパーティリスク(取引所の倒産などによって顧客資金が引き出せなくなる)が心配されるが、同社公式サイトによると、顧客資産は世界最大級の仮想通貨取引所「Binance(バイナンス)」や「Bybit(バイビット)」などと提携しているカストディアン「Copper(カッパー)」に保管され、コインコールには保管されないため、万が一コインコールが倒産しても顧客資金は安全だ。
オプション取引において業界最大のマーケットシェアを誇るDeribit(デリビット)も10月に、2024年中にXRP・SOL・MATICのオプション取引を開始する予定としていたが、コインコールがそれに先駆けて開始した形となる。
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