流入の主役IBITが一転、最大の流出源に──米ビットコインETF再び資金流出

暗号資産市場、株式市場に先行して週末取引で調整──FRBタカ派姿勢と米イラン合意延期が重荷に
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
Naoya Tokunaga
3 Min Read
Highlights
  • 米国の現物ビットコインETFが6月5日、合計3億2,570万ドル(約522億円)の純流出を記録した
  • 流出を牽引したのはブラックロックのIBITで、単独2億1,370万ドルと最大規模の引き出しとなった
  • 13営業日連続の流出(合計約44億ドル)が4日に止まった直後の再流出で、リスク回避姿勢が鮮明に

米国の現物ビットコインETFは5日、1日の合計で3億2,570万ドル(約522億円)の純流出を記録した。ETFフローデータ集計サイト「ファーサイド・インベスターズ」によれば、この日の流出を牽引したのはブラックロックのiShares Bitcoin Trust(IBIT)で、単独で2億1,370万ドル(約342億円)という最大規模の資金引き出しを記録した。13日間続いた連続流出が4日に一旦止まった直後の再流出となり、機関投資家のリスク回避姿勢が改めて鮮明になった格好だ。

5日のファンド別フロー

ファーサイドの集計によると、5日の主要な資金流出は以下の通りとなった。最大の流出を記録したIBITに続き、グレースケールのGBTCから6,080万ドル、フィデリティのFBTCから5,970万ドルの資金が流出した。GBTCについては、信託からETFへの移行後も継続している高い手数料(年率1.50%)を背景とした資金流出が続いている。

一方、BITB、ARKB、BTCOを含む大半のETFはこの日の純フローがゼロとなり、ヴァンエックのHODLとモルガン・スタンレーのMSBTのみが、それぞれ420万ドル、430万ドルという僅かなプラスの流入を記録した。市場全体としては、特定の大型ファンドに流出が集中する展開となっている。

Bitcoin ETF Flow 出典:Farside Investors
Bitcoin ETF Flow 出典:Farside Investors

背景にある記録的な流出局面

今回の流出は、初夏の暗号資産市場における大規模な資金流出局面の一環である。米国の現物ビットコインETFは5月15日から3日にかけて13営業日連続の純流出を記録し、その合計は約44億ドルに達した。これはETFが2024年1月に上場して以来、最大規模の流出局面となった。

この連続流出は4日に約320万ドルの小幅な純流入によって一旦途切れたものの、翌5日には再び3億ドルを超える大規模な流出に転じた。背景には、第1四半期に比較的低い価格帯でポジションを構築していた機関投資家が、金利環境の変化を受けて利益確定に動いたことがあるとみられている。

米国ビットコイン現物ETFフローデータ 出典:SoSoValue
米国ビットコイン現物ETFフローデータ 出典:SoSoValue

IBIT牽引の構図と今後の注目点

今回の流出で象徴的なのは、これまで一貫して資金流入の中心だったブラックロックのIBITが、最大の流出源となった点である。IBITは累計流入額が600億ドル(約9兆6,000億円)を超え、現物ビットコインETF市場で圧倒的な存在感を持つ旗艦ファンドであり、その動向は市場全体のセンチメントを映す指標とされる。

ブルームバーグのシニアETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は4日、過去約1カ月で約44億ドル(約7,053億円)が流出し、年初来の純フローがマイナス圏に押し戻されたと指摘した。一方で、IBITと一部のファンドは年初来ベースで依然プラスを維持しているとし、市場全体の上場来累計純流入額も約550億ドルの水準にあると説明している。

今回の流出が一時的な調整なのか、より構造的な資金流出の始まりなのかが今後の焦点となる。金利動向や米連邦準備制度(FRB)の政策見通しといったマクロ環境が、ETFフローの方向性を左右する展開が続きそうだ。

関連:暗号資産ETFから資金流出加速──3週累計42億ドル、ビットコインは今年最大
関連:【5/27 仮想通貨ETF動向】ビットコインが7億ドル超の大規模流出

関連銘柄:BTCBTC

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160.3円)

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

JinaCoinメルマガ開始
Share This Article
Follow:
2022年、「Move to Earn」アプリSTEPNとの出会いで暗号資産の世界へ。 その後、複数のブロックチェーンゲームを通じて業界知識を深め、2023年からはBNB / Ethereum / Suiの各チェーンでDeFi運用を本格スタート。 現在はSuiチェーンに注力し、レンディングプロトコル「Scallop」の公式アンバサダーとしても活動中。 DeFi運用とオンチェーン分析を軸に、実践しながら発信を続けている。
コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA