米フィンテック企業インヴェニアム・キャピタル・パートナーズは16日、RWA(現実資産)特化ブロックチェーンのマントラおよび関連事業体を買収する計画を発表した。今回の買収は、トークン化資産インフラとAI対応のプライベート市場データを組み合わせることを目的としている。
マントラチェーンとエコシステムは買収後も運営継続へ
発表によると、買収後もマントラチェーンやトークン、エコシステムは通常通り運営される予定だ。マントラのコミュニティは、インヴェニアムのより広いエコシステムに統合される形となる。取引は2026年6月30日までに完了する見込みで、金融条件は非開示となっている。
インヴェニアムは昨年8月、マントラに2,000万ドル(約32億円)の戦略投資を行っていた。両社はその後、マントラチェーン上に構築された専用レイヤー2「NVNMチェーン」の立ち上げで連携。同チェーンは機関金融やAI駆動システム向けに、プライベート市場資産データの暗号学的証明を記録する基盤として位置付けられている。インヴェニアムは、こうした連携を通じてマントラとの技術的な相性を確認してきた。
インヴェニアムCEOのパトリック・オメーラ氏は、「規制対応のブロックチェーンインフラとAI対応のプライベート市場データは、同じ技術基盤上にあるべきだと考えてマントラに投資した」とコメント。今回の買収により、グローバルなプライベート市場エコシステムに対して、より早く価値を提供できると強調している。
マントラCEOのジョン・パトリック・マリン氏も、両社はRWAとAIの方向性について同じ考えを共有し、「すでに共同開発を通じて連携できることを証明してきた」と述べた。マントラブランドは統合後も重要な焦点として残り、マントラチームもインヴェニアム傘下で運営を続ける方針としている。
一方、マントラをめぐっては昨年、ネイティブトークン「OM
OM」が数時間で90%超急落した経緯がある。マントラ側は当時、中央集権型取引所(CEX)で担保として預けられていた大量のOMが強制清算され、連鎖的な自動清算につながったとの見方を示した。コミュニティではインサイダー取引疑惑も出ていたが、同チームはトークン売却を否定し、買い戻しやバーン、透明性強化策を打ち出していた。
今回の買収は、マントラにとってRWAとAI対応データ基盤を組み合わせる新たな展開となる。過去のOM急落で問われた透明性や信頼回復の課題も残るなか、買収後の運営継続と利用シーンの拡大が今後の焦点となりそうだ。
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