分散型取引プラットフォーム「ハイパーリキッド」を開発するハイパーリキッドラボが、米国向けの暗号資産(仮想通貨)無期限先物の提供を巡り、クラーケンの親会社ペイワードと協議していることが明らかになった。1日、ブルームバーグが報じている。
傘下取引所経由で米国ユーザーへの提供を検討
構想では、ペイワード傘下の暗号資産取引所ビットノミアルを経由して米国ユーザーに一部の先物を提供するという。協議は進んだ段階にあるとされるが、両社ともコメントを控えた。
関係者によれば、ペイワードは米商品先物取引委員会(CFTC)に対し、今回の仕組みの基本構造を示す提案を提示しているという。規制当局の承認を得た場合、ビットノミアルの登録ユーザーは、ハイパーリキッドのブロックチェーン技術上に構築された暗号資産トークンの価格に連動する無期限先物の一部にアクセスできるようになる。
ハイパーリキッドラボはCFTCに登録しておらず、現状では米国ユーザーに同社プラットフォーム上のデリバティブ取引を提供できない。今回報じられた仕組みでは、すでに米国で規制を受けるビットノミアル側がコンプライアンスを担うという。
ブルームバーグは、今回の取り組みが実現すれば、シンガポールを拠点とするハイパーリキッドラボにとって初の米国市場参入になると伝えている。
ハイパーリキッド米国展開にトランプ政権も言及
ハイパーリキッドの米国展開を巡っては、トランプ政権も動きを見せている。
ドナルド・トランプ米大統領は先月19日、ホワイトハウスでのイベントで、CFTCがハイパーリキッドを「完全に準拠した合法的な形」で米国に導入するため取り組んでいると述べた。CFTCのマイケル・セリグ委員長も同席していた。
ザ・ブロックによると、セリグ委員長は6月のバンクレスとのインタビューでも、ハイパーリキッドのようなオンチェーン技術が市場を「変革する」との見方を示していたという。その上で、一定の規制のもと、オンチェーン市場を米国に導入する道筋を整えたいとの考えを明らかにしていた。
SEC元シニアカウンセルは規制上の課題を指摘
一方、米国でのサービス提供に向けては、CFTC以外の規制対応が必要になる可能性も指摘されている。
米証券取引委員会(SEC)の元シニアカウンセル、アシュリー・エバーソール氏はクリプトニュースの取材で、商品によってCFTCとSECの双方が関与する可能性があるとの見方を示した。暗号資産に連動する無期限先物はCFTC、証券に該当する資産に連動する商品はSECの管轄になる可能性があるという。
また同氏は、規制当局が積極的に対応した場合でも、米国で必要な規制プロセスには10〜12カ月程度かかる可能性があると試算。既存の権限や適用除外を活用できれば、6カ月程度まで短縮できる可能性もあるとしている。
今回の協議が実現するには、規制当局の承認が前提となる。金銭条件や具体的な提供開始時期は明確ではないものの、米国展開に向けた協議が今後どこまで具体化するかに注目したい。
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