イーサリアムの財務戦略を進める米ビットマイン(NYSE:BMNR)の会長を務めるトム・リー氏は8月31日、米CNBCの番組に出演し、ビットコインが15万ドルまで上昇する可能性は残っているとの見方を示した。9月15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を相場の分岐点と位置づけている。
「10%の調整」から一転、上昇シナリオへ
リー氏はもともと9月に1割程度の株式市場の調整を見込んでいた。ところが番組では、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策やAI関連の投資、季節的な弱さへの懸念がすでに広がっていることが、かえって上昇のきっかけになりうるとの考えを示した。
同氏の基本シナリオは、FOMCが金利を据え置くというものだ。これに雇用統計と消費者物価指数の弱含みが重なれば、市場は力強く上昇しうるとした。仮に10月へ調整がずれ込んでも浅いものにとどまり、S&P500種株価指数は年末に向けて8,200を超える水準を目指すとの見通しを示した。

暗号資産は「上昇の第一段階」
暗号資産についてリー氏は、直近の値動きを「始まりにすぎない」と表現し、大きな上昇の第一段階だとの見方を示した。過去1年の下落は投げ売りによるもので、基礎的な条件が崩れたわけではないとして、今回の低迷を浅い「クリプトウインター」と位置づけている。
強気の根拠として挙げたのが、第3四半期に暗号資産が主要な資産クラスの中で最も高いリターンを上げたこと、4年周期がまもなく一巡すること、韓国の投資家がAI関連株から暗号資産へ資金を戻し始めていること、そして米国のCLARITY法案(クラリティ法案)が年内に成立しうることの4点だ。
リー氏は同法案が成立すればビットコインとイーサリアムは第4四半期に大きく上昇するとしたうえで、15万ドルの目標を取り下げていないと述べ、まだそれほど遠くない水準だとの認識を示した。
前提は「据え置き」、市場は利上げも織り込む
CoinGeckoによると、ビットコインは執筆時点で7万8,246ドル。15万ドルは現在の約1.9倍にあたり、2025年10月に付けた過去最高値からはなお4割近く低い。

見落とせないのは、この見立てが金利据え置きを前提としている点だ。7月のFOMCでは3人の地区連銀総裁が利下げではなく利上げに票を投じ、6カ月ベースのPCE物価指数は4.1%で推移している。据え置きは既定路線ではない。9月15日の結果が、リー氏の逆張り的な見立てを試す最初の関門となる。
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