Ethena Pay(エセナ・ペイ)は9月1日、同名のiOSアプリを公開したと自社Xで発表した。合成ドル「USDe」でドル残高を保有し、送金、貯蓄、Visaカード決済を1つのアプリで扱う非保管型のマネーアプリで、送金と決済の処理にはアバランチを用いる。
年最大6%は「総額」、ティアごとに上限
残高の裏付けとなるUSDeは、エセナが発行する合成ドルである。同アプリは銀行口座や暗号資産から入金した資金をUSDeに替えて保有し、その残高に対して報酬を付ける設計を採る。
公式サイトは残高に対する年最大6%の還元を前面に出している。ただしFAQによれば、この6%はUSDeの基礎レートに上乗せする数字ではない。基礎レートと、同社が差額を補填する「デイリー・ブースト」を合わせた総額を指す。
ブーストの対象となる残高には、ティアごとに上限が設けられている。
スタンダードは年5%で上限5,000ドル(約80万円)、プロは年6%で1万5,000ドル(約239万円)、VIPは同6%で5万ドル(約795万円)。上限を超えた分にも基礎レートは付くが、ブーストは加算されない。
基礎レートが上がればブーストは縮み、下がれば広がる。基礎レートがティアの総率を上回った場合はゼロになる。
ブーストはUSDe建てで日次で支払われ、原則として発生日の締めから24時間以内に着金する。受け取りには月1回以上の対象カード決済が要る。同社はこれを利息でも利回りでも預金でもない裁量的な販促インセンティブと定義し、政府の預金保険の対象外だと注記している。
キャッシュバックはAVAX建て、利用額で逓減
カードはVisaのバーチャルカードで、加盟店は世界1億3,000万超。キャッシュバックはアバランチのネイティブ資産AVAX建てで支払われる。
率はティアと月間利用額の帯で変わる。スタンダードは月2,500ドル(約40万円)までが4%、プロは8,000ドル(約127万円)までが4.5%、VIPは2万ドル(約318万円)までが5%となり、帯を超えると段階的に下がる。率が下がるのはその先の利用分だけで、すでに使った分にはさかのぼらない。
暗号資産やステーブルコイン、NFT、有価証券の購入、ATM出金、ギャンブル、ギフトカード、個人間送金、口座への入金などは対象外。1ドル未満の決済も加算されない。
「銀行ではない」と明記、鍵は利用者の端末に
運営はマルタ登記のEthena Pay Ltd.(法人番号C 114576)。同社はソフトウェアと技術サービスの提供者であり、銀行でも証券会社でも資金移動業者でもなく、顧客の資金やデジタル資産を預からないと明記している。
ウォレットの鍵は利用者の端末に置かれ、パスキーと生体認証で保護される。法定通貨のIBANはライセンスを持つ銀行パートナー経由で提供される。
カードの発行体はVisaのライセンスに基づくThird National、プログラム管理はSignify Holdings(Rain)が担う。カードは米国居住者などには提供しない。登録は18歳以上が条件となる。
対応地域は約50か国で、公式サイトが掲げる国旗の一覧には日本も含まれる。ユーロ、円、ブラジルレアルなどでの保有と運用にも対応する予定だ。
同社は、USDeやAVAXを含むデジタル資産は価値のすべてを失う可能性があり、米連邦預金保険公社(FDIC)、英金融サービス補償機構(FSCS)、マルタの預金者補償制度のいずれの保護も受けないと注記している。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.03円)


