暗号資産(仮想通貨)分散型取引所Hyperliquid(ハイパーリキッド)の調査機関Hyperliquid Research Collective(HRC)は1日、最大手デプロイヤー「Trade[XYZ]」の4〜6月期レポートを公開した。取引高は前期比79.2%増の2,023億6,000万ドル。
HIP-3取引高の95%を占有
2,023億6,000万ドルは日本円で約32兆4,200億円にあたる。HIP-3は、50万HYPEをステークすれば誰でもハイパーリキッド上に無期限先物(パーペチュアル先物、perp)市場を開設できる仕組みだ。Trade[XYZ]は2025年10月13日に最初のデプロイヤーとして稼働を開始した。
レポートによると、同社のHIP-3取引高シェアは1〜3月期の84.47%から4〜6月期は95.10%へ上昇した。ハイパーリキッド全体の無期限先物取引高に占める割合も17.83%から31.10%へ拡大し、6月8〜14日の週には39.04%を記録している。
収益は759万3,040ドル(約12億1,600万円)で前期比32.9%増。四半期末時点の年換算ランレートは3,772万ドル(約60億4,300万円)となった。ただし前期の収益はhl.ecoが改訂した571万ドルを基準としており、1〜3月期レポートの初出値793万ドルとは異なる。
未決済建玉(OI)は四半期末で29億5,694万ドル(約4,737億円)、前期比64.6%増。期中のピークは6月23日の30億9,847万ドルで、四半期末に向けて積み上がったのではなく、いったん高値を付けてから戻す形となった。
競合3社が6月に撤退、理由は競争ではなかった
シェア上昇の背景には、競合デプロイヤーの相次ぐ撤退がある。Ventualsは6月19日に最終約定を迎え、Felixは6月20日、Dreamcashは6月30日から7月2日にかけて決済を完了した。
Kinetiqは6月17日に「km」名前空間の全市場を上場廃止し、7月1日に「mkts」名前空間でナスダック・S&P 500の2銘柄のみ再開している。レポートは、23銘柄から2銘柄への縮小を清算ではなく主力商品への集約と位置づけた。
撤退理由を公表した3社のうち、Trade[XYZ]との競争を挙げた社はない。Felixは「USDHのサンセットを踏まえ」と説明し、USDT建て市場を運営していたDreamcashもUSDCのネイティブ統合が決まった影響を受けた。
戦略的な撤退はVentuals1社のみで、同社は「トークンに価値を蓄積させる実行可能な道筋がなくなった」としている。
参入障壁も指摘された。50万HYPE(
HYPE)のステーク要件は9月2日のHYPE価格で約4,150万ドル(約66億4,800万円)に相当し、HYPEをすでに保有する事業者と新規に買い付ける事業者では資本コストが大きく異なる。
結果として、6月24日から7月23日までのHIP-3取引高822億7,000万ドルのうち、818億6,000万ドルをTrade[XYZ]が占めた。レポートはこの状態を「HIP-3はリーダーのいる複数デプロイヤー市場ではなく、Trade[XYZ]そのものだ」と表現している。
Pre-IPO無期限、3銘柄が上場まで到達
四半期の新製品が、上場前の企業の株価を対象とする「Pre-IPO無期限先物(IPOP)」だ。5月1日にCerebras(CBRS)、5月17日にSpaceX(SPCX)、5月28日にQuantinuum(QNT)を上場し、3銘柄すべてがIPOを経て通常の株式無期限先物へ自動転換した。
外部価格が存在しないため、オラクルには自身の取引価格の30分移動平均を用いる。資金調達率の乗数は0.005倍と、通常の株式perpの0.5倍から大幅に引き下げ、価格発見を優先する設計を採った。
ただし初値の予測精度については、測定時点によって評価が分かれる。
ナスダックがオークション気配を公表する前(通常取引開始の1時間前)の時点では、CBRSが初値350ドルに対し285.43ドルで18.4%下振れ、QNTは初値68ドルに対し93.01ドルで36.8%上振れ、SPCXは初値150ドルに対し177.22ドルで18.1%上振れていた。
一方、オークション直前の1時間前ではCBRSが354.49ドルとなり、乖離は1.3%まで縮小している。
レポートは、精度の改善はオークション気配の公表によってもたらされたものであり、3銘柄を通じた予測精度の向上トレンドは確認できないと結論づけた。改善したのは予測ではなく裁定の速度で、初値との乖離が100bps以内に収まるまでの時間はCBRSの36分からSPCXの7分へ短縮している。
SpaceXについては、Trade[XYZ]を含む6取引所すべてが初値を上回る価格を提示した。追跡された32億3,000万ドルのフローのうち、バイナンスが54.7%、Trade[XYZ]が22.5%、OKXが21.8%を占めている。
メモリ関連銘柄がMAG7の2.2倍に
株式カテゴリの取引高は前期比377%増の589億ドル(約9兆4,358億円)、55銘柄に拡大した。構成の変化が大きく、MAG7のシェアは39.3%から15.6%(92億ドル)へ低下している。
代わって主役となったのがメモリ関連だ。マイクロン(MU)97億ドル、サンディスク(SNDK)60億ドル、SKハイニックス(SKHX)44億ドルの3銘柄で200億ドル(約3兆2,040億円)を記録し、MAG7全体の2.2倍に達した。
SKHXは6月末時点でOI 2億5,900万ドルと、単一銘柄では取引所最大の建玉を抱える。日本株では6月25日にキオクシアホールディングス(KIOXIA)が上場し、1〜3月期に続く2銘柄目となった。
一方、日次アクティブアドレスの平均は1万6,149件と前期比16.3%減少しており、取引高に連動しなかった唯一の指標として挙げられている。また米国居住者は規制上、依然としてTrade[XYZ]にアクセスできず、レポートの数値は米国市場を含まずに達成されたものである。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160.20円)


