富裕層データを手がける英Altrata(オルトラータ)は、年次レポート「Billionaire Census 2026」を公開した。2025年時点で資産10億ドル(約1,594億円)以上を持つ億万長者は3,795人となり、過去最高を更新した。純増は287人にのぼる。
29人が全体の27%を握る
人数の伸びは8.2%で、5年ぶりの高さとなった。10年前の2,397人と比べると58%増えている。
合計資産は12.8%増の15兆1,000億ドル(約2,406兆円)。S&P500種株価指数の時価総額のおよそ4分の1に相当する規模で、3年続けて伸び率が加速した。1人あたりの平均は40億ドルだが、中央値は20億ドル程度にとどまる。上位に極端に偏った分布だからだ。
その偏りが今回のレポートで最も目を引く部分でもある。資産500億ドル超の29人が持つ4兆1,000億ドル(約653兆円)は、億万長者全体の資産の27%にあたる。人数の比率はわずか0.76%にすぎない。
この27%という数字は、2023年には16.3%、2017年には7.2%だった。当時500億ドル超を持つ人物は10人しかいなかった。
富裕層全体のなかでの位置づけも極端だ。レポートによると、資産500万ドル超の個人は世界に約590万人おり、その合計資産は116兆ドル。億万長者はこの層の0.07%を占めるにすぎないが、資産では13%を握る。
さらに範囲を絞り、資産3,000万ドル超のUHNW(超富裕層)約55万7,000人と比べても構図は変わらない。億万長者は人数で0.7%、資産で24%を占める。この24%という比率は2010年代半ば以降、23〜25%の幅で安定して推移してきた。
AI投資企業が23%上回る
オルトラータは資産形成の背景をAI投資ブームに求めている。億万長者の資産に最も寄与する上場企業150社を抽出し、過去5年間にAIへ3,000万ドル以上を投じたかどうかで2群に分けたところ、投資した側が2024〜25年の時価総額の伸びで23%上回った。
一方で同社は、AI関連株への集中リスクをめぐる「バブル」懸念にも触れている。AI関連の値動きに左右される技術株の激しい変動は今後も続き、それが個々の億万長者の資産額にそのまま反映されるとの見方を示した。
国別では米国が1,265人で全体の3分の1を占め、2位の中国363人の3.5倍。ドイツは221人で、上位15カ国のうち最も高い20.1%の伸びを記録した。都市別ではニューヨークが164人で首位、香港が106人で続く。
なお、レポートが示す資産構成は公開株38.0%、非公開株34.5%、流動資産25.8%、不動産・高級資産1.7%となっており、暗号資産(仮想通貨)は独立した項目として計上されていない。プライベートジェットの保有率15%やヨットの5%は集計対象に含まれている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.37円)


