ソラナ基盤のDeFi利回りプロトコル「Carrot(キャロット)」は1日、運営の永久停止を発表した。4月1日に発生したDrift Protocol(ドリフト・プロトコル)の約2億8,500万ドル(約448億円)規模のハッキング被害が波及し、事業継続が不可能になったとしている。
Driftハッキングの連鎖被害でTVL93%消失
キャロットは公式Xアカウントで「Carrot is shutting down(キャロットは閉鎖する)」と投稿し、ドリフトのエクスプロイトが運営にとって「壊滅的」だったと説明した。キャロット自体のコードに脆弱性はなかったものの、主力プロダクトであるBoostやTurboがドリフトのボルトを経由して利回りを生成していたため、上流プロトコルの被害がそのまま直撃した形となる。
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DefiLlamaのデータによると、キャロットのTVLは攻撃前の約2,800万ドル(約44億円)から約199万ドル(約3.1億円)まで急落している。約800万ドル(約13億円)がDrift関連の損失として計上され、これはキャロットのTVLの約半分に相当する。
5月14日が引き出し期限──以降は強制デレバレッジ
キャロットは5月14日をユーザーの自主的な資金引き出し期限に設定した。対象はBoost、Turbo、CRTの3プロダクトで、期限を過ぎた場合はすべてのポジションがレバレッジゼロまで強制的にデレバレッジされる。これにより流動性が解放され、CRTの償還に充てられる仕組みだ。
チームは「預け入れた資金の所有権はユーザーに帰属する」と明言しており、清算プロセスにおいて管理手数料は発生しない。
ドリフトからの資金回収が今後実現した場合、4月1日時点のCRTスナップショットに基づいてIOUトークンにより比例配分される方針だ。CRTを償還済みのユーザーも請求権は維持されるが、配分時期は未定としている。4月中旬時点でCRTのNAV(純資産価値)は1トークンあたり約57.52〜57.58ドルに調整されており、含み損を含めて約50%の損失が反映された水準となっている。
キャロットは2年以上にわたりソラナ上の「利回りOS」として運営を続けてきたプロトコルだった。ドリフトのハッキングの影響はキャロットにとどまらず、ガントレット、プライムファイ、エレメンタルDeFiなど15〜20のプロトコルが流動性の問題や機能停止に見舞われている。
キャロットの閉鎖は、DeFiのコンポーザビリティがもたらす連鎖リスクの典型例として位置づけられる。ドリフトのように上流で発生したインフラ障害が、依存するプロトコルを順次運営不能に追い込む構図が改めて示された形だ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.07円)




