ステーブルコインUSDC
USDC発行企業サークル(CRCL)の共同創業者兼CEOジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は13日、ソウルで開催されたイベントで講演し、独自L1ブロックチェーン「Arc(アーク)」の進捗とAIエージェント経済に向けた取り組みを詳細に語った。
Arc メインネットが「間もなく」稼働──トークン発行も検討、PoS移行を視野
アレール氏は、約2年前から開発を進めてきたアークについて、現在テストネットが稼働中で「間もなくメインネットに移行したい」と述べた。グローバル銀行、取引所、大手決済企業、テクノロジー企業がネットワークの構築に参加しているという。
注目すべきは、アークネットワーク用のトークン発行を検討中である点だ。トークンはガバナンス、インセンティブ、経済的な利害調整のメカニズムを提供し、最終的にはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)システムへの移行を目指すとアレール氏は説明した。詳細は「近い将来」に発表するとしている。
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さらに、アーク上で韓国ウォンのステーブルコイン発行者がすでに準備を進めていることも明かされた。アークのローンチと同時に稼働予定の「Stable FX」により、異なる通貨のステーブルコイン同士をインターネット上で即時に交換できるようになる。
「世界の経済活動の大部分はAIが行う」──Nano Paymentsを近日ローンチ
アレール氏は講演の中で、世界の経済活動の大部分がAIによって実行・遂行される時代に入りつつあるとの認識を示した。サークルはAIエージェントが経済主体として機能するためのフルスタックを構築しており、すべてのツールとインフラを「AIファースト・AIネイティブ」にアップグレードしているという。
具体的な製品として、近日ローンチ予定の「Circle Nano Payments」を紹介。1取引あたり100万分の1ペニーという超少額の手数料で決済が可能になる仕組みで、AIエージェント同士が5セントや5ドルといった少額の推論作業をリアルタイムでストリーミング決済するユースケースを想定している。
また、AIエージェントがパーミッションレスでUSDC残高を統合し、1秒未満でクロスチェーン決済を実行できる「Circle Gateway」も紹介された。
X42プロトコルの決済の99%がUSDC──AI間決済の標準へ
サークルが共同設立し、創設メンバーとなっているX42ファウンデーションについても言及があった。X42はAIがインターネット上で直接決済を行うためのプロトコルで、数千のサービスに採用が広がっている。アレール氏は、同プロトコル上で行われている決済の99%がUSDCで実行されていると明かした。
アークの「経済OS」としての位置づけについて、アレール氏はAI自体がインフラの「顧客」になると述べた。従来の企業やスタートアップ、開発者だけでなく、AIエージェントそのものがArc上で価値を保管し、契約を執行し、他のAIと経済活動を行う未来像を描いている。
CPN参加機関は55社超、年換算60億ドルの取引量
サークルのUSDCエコシステムに関する最新データも示された。USDCはブロックチェーン間を移動するトラフィックの60%超を処理している。サークル・ペイメント・ネットワーク(CPN)には55以上の金融機関が参加し、70社超が審査中、500社超がパイプラインにある。Q1の年換算取引量は約60億ドルで、前四半期比70%の成長を記録した。




